ホーナー、レッドブルF1に迎えてみたかったドライバーにモントーヤを挙げる「彼はF1で実力をフルに発揮していない」

 クリスチャン・ホーナーはF1においてレッドブルを成功に導いてきたが、そこには多くの優れたドライバーの力もあった。しかしホーナーは、自らが指揮するチームに迎えてみたかった才能あるドライバーがひとりいることを認めた。

 レッドブル・レーシングはこれまでに、マーク・ウエーバー、ダニエル・リカルド、セバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペンといった、レースの優勝ドライバーと驚異的なF1世界王者ふたりを誕生させた。だがホーナーは、グランプリで7度優勝したファン・パブロ・モントーヤならば、レッドブルと最高の組み合わせになったのではないかと考えている。

 モントーヤは荒削りの才能と果敢なレーシングスタイルで知られたドライバーだ。F1で2001年から2006年まで走り、最初の4シーズンをウイリアムズで過ごした後、2005年にマクラーレンに移籍した。モントーヤの戦闘的な気質と勝利を求めるハングリー精神ならば、レッドブルのトップを目指すチーム文化と完璧にマッチしたのではないかと考えてるホーナーは、『Extraordinary Tales With Seb Coe』のポッドキャストで、レッドブルで走らせてみたかったドライバーは誰かと聞かれて、「長年の間に迎えたかったドライバーは何人かいる」と述べている。

「私の考えでは、モントーヤはF1で実力をフルに発揮していない。彼は素晴らしい才能に恵まれたドライバーで、もっと優秀な成績を収めてもおかしくなかった」

2003年F1イタリアGP ファン・パブロ・モントーヤ(BMW・ウィリアムズF1チーム)

 さらに記憶をたどり、ホーナーはF3000時代のアーデンチームでテストしたある若者のことも覚えていると語った。

「アーデンチームでテストしたことがあるドライバーなのだが、F1が見逃した圧倒的なドライバーだと感じたものだ」

「名前はトム・クリステンセンで、その後スポーツカーレースの世界で素晴らしい成功を収めた」

 ホーナーによると、F1ドライバーは千差万別だが、レッドブルで大成したドライバーには共通してある強さがあるという。

「さまざまな才能のあるドライバーがやってくるが、みんなそれぞれに違う。ドライバーごとに個性があり、気質も違う」

「だが、優秀なドライバーが共通して持つのは、鋼のような、断固とした決意だ。マックスにはこれがあるし、もちろんセバスチャンもこれを持っていた」

「ほんのちょっとした差なのだが、彼らはそのほんの少しを突き詰める覚悟ができているのだ」

2022年F1第18戦日本GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がドライバーズタイトルを獲得
2011年F1第15戦日本GP セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が2度目のドライバーズタイトルを獲得。父ノルベルトもチームに帯同しており、レース後は記念撮影に加わった

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