比婆牛・湯来のキャビア・サムライねぎ… G7広島サミット 料理で採用の食材 生産者たち ふくらむ期待

G7広島サミットでは首脳たちをもてなした料理にも関心が集まりました。料理に使われた地元・広島の食材の関係者は、知名度アップにつながったと喜び、今後への期待をふくらませています。

サミット期間中の20日、海外メディアの取材陣に囲まれる広島県の湯崎知事です。手に持つのは、比婆牛のしゃぶしゃぶ。広島の食材のPRの一環で比婆牛を紹介したところ、取材が殺到したのです。理由は…

記者
「きのうのG7のリーダーたちも召し上がりましたか?」

G7メニュー 赤ウニを添えた比婆牛ステーキ

前の晩、宮島の老舗旅館「岩惣」で開かれた首脳たちのディナーに比婆牛のステーキが登場したからです。

広島県 湯崎英彦 知事
「やっぱり首脳のみなさんに召し上がってもらったものは注目していただけるので」

比婆牛は、肉質のよさで知られていますが、農家の減少で生産頭数が減っています。貴重品のため、今回、岩惣は県の紹介で肉を仕入れたということです。

県では、サミットを機に比婆牛を取り扱う飲食店を増やすなど、生産拡大を後押しする考えです。

G7メニュー チョウザメの卵 キャビア

同じく「岩惣」が採用した珍しい食材が、チョウザメの卵「キャビア」です。

広島市の中心部から車で1時間余り走った佐伯区 湯来町の山の中にあるのは、「廣島蝶鮫」が営む養殖場です。

廣島蝶鮫 藤本一義 代表
「うちもビックリしているんですけど、10日くらい前なんですけど、『料理に使いたいから』ということでお買い上げいただいたような感じです」

廣島蝶鮫の主な業務は、卵からふ化した稚魚を養殖業者に出荷することです。食用のキャビアは稀に食事に来る客のために少量を確保しているだけのため、内心、複雑だったそうです。

廣島蝶鮫 藤本一義 代表
「『各国の首脳の方に食べていただくので』というのはお聞きしました。それは、すごいことだなとは思いましたけど、うちはキャビアがメインじゃないので」

そのキャビアは、10グラムのかたまりを30個、販売しました。ことし、廣島蝶鮫が確保している量のおよそ3分の1にあたります。価格は10グラム5000円です。

柴田和広 記者
「あー、なにか、すごく濃厚な味わい。舌触り、すばらしいですね」

岩惣では、「湯来のキャビア」としてカキの酒蒸しに添えて提供しました。当初、戸惑っていた藤本代表ですが、今は違います。

廣島蝶鮫 藤本一義 代表
「広島の湯来にもチョウザメの養殖場があって、キャビアを作っているんだっていうことを知ってもらえたと思うので。これをきっかけにどんどん知ってもらって、キャビアを日本産のキャビアをどんどん作ってくれるところが増えてくれればいいなと思います」

G7メニュー サムライねぎ

東広島市志和町で生産されている「サムライねぎ」という商品名の青ネギです。こちらも「岩惣」が食材に採用しました。

ねぎらいふぁーむ 久保中裕貴 施設長
「反響も大きかったですし、『サムライねぎ』っていうのが、世界に発信できたなとすごくい実感しているところであります」

サムライねぎという名前は、刀のような形から名付けたもの。売りは志和盆地の寒暖差で生まれる肉厚でシャキッとした食感です。生産する「ねぎらいふぁーむ」では、サミットを機に将来の海外販売を考えています。

久保中裕貴 施設長
「今回、サミットで来られたヨーロッパの方がたに食べてもらって、サムライっていうネギもやっているんだということを認識していただきたいなと思っております」

― 食材の選定について、岩惣は、調理担当者ができるだけ広島県内の食材を使用しようと考えて、1つひとつ試食を重ねて選んだものと話しています。

― また、首脳たちをもてなした料理をこの夏、一般の人に提供できないか、検討しているということです。

© 株式会社中国放送