【少子化対策】静岡・磐田市の工場の取り組み“子育てしやすい環境作り”について取材 政府の「異次元の少子化対策」の一方で…

「少子化」に歯止めをかけようと政府が打ち出す「異次元の少子化対策」。静岡県内の少子化の現状は…?磐田市にある工場では子育てしやすい環境作りに取り組んでいた。

岸田政権“肝いり”の「異次元の少子化対策」。新たに“児童手当が倍増”される方向で検討していることが分かった。現在の児童手当の対象は中学生までだが、これを18歳までに引き上げて、月に1万円を支給。第3子以降は現在は月1万5000円だが、それを月3万円に倍増させる方向で検討しているという。

ただ、こうした少子化対策には年間で3兆円の追加予算が必要だとされている。財源の捻出については「国の支出の見直し」や「医療保険料の上乗せ」などを検討しているが、制度が整うのが2026年になる見通しのため、当面、「こども特例公債」という国債を発行する方針を固めたという。政府が急ピッチで進める「少子化対策」。町の人は…。

(50代主婦)

「今より負担するの?という気持ちはある今だって物価が高くなって生活が苦しいのに」「(財源の)捻出は他からできないのっていう…」

(10代会社員)

「有効に使ってくれるなら税金とか増えてもいいが」「ちゃんとこういう方針で、もしこれがだめだったらこうするとか色んな対策を考えてからやってほしい。」

(10代大学生)

「結婚をしたくないと思っている、結婚したら色々お金かかる、子どもを産もうと思ったらもっとお金かかるのに給料少ないのに難しい、そういう人はいっぱいいると思う」

2021年1年間で生まれた子供の数は全国10位の2万1571人、第2次ベビーブームの1973年と比べると約3分の1に減少しているのが現状。こうした中、“子育て支援”に力を入れている工場が磐田市にある。千葉県に本社を構え、工場に設置する集じん機などを製造するメーカー。

(アコー 営業技術部 松下宗平さん)

「特に20代の割合が多くなってきている」

こちらで特に力を入れているのが“子育て世代”が働きやすい環境づくり。

(アコー 営業技術部 松下宗平さん)

「こちらのスペースで、お子さんを連れてきて一緒に働くことができる」

“子連れ勤務”や在宅勤務など働き方を選べるほか、有給休暇を15分単位で取得することができる。さらに、敷地内にフットサルコートをつくり、社員だけでなく地域の子どもにも開放するなど子育て支援に力を入れていて、2023年1月には、県から“子育てに優しい企業”として表彰された。子育て真っ最中の社員は…。

(女性社員)

「今、5歳、コロナで休園になったりとか自粛のときに連れていた」

(女性社員)

「6月で2歳になる、妊婦の状態でも入社しておいでと言ってもらえて入ろうと思った」

(女性社員)

「4歳、子育てしている人もたくさんいるので子どもの話もできるし、悩み相談もできるので居心地はすごくいい」

また、産休や育休を取得した後の仕事復帰率は、なんと100%!人材不足で採用に苦労する時代に、20代からの応募が増えているという。

(アコー 坂下幸久 取締役)

「高齢化社会と言われている中で、出産する人を大事にしていかないと」「若い世代の従業員が辞めざるを得ないという状況はつくりたくなくて、長く働ける環境を会社側がつくるべきだという理念でやっている」

少子化対策は、国の支援とともに企業の理解、対応が求められている。

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