G7首脳に贈られた “折り鶴” 「佐々木禎子さんの折り鶴」を再現 キャステム(広島・福山市)

G7広島サミットで原爆資料館を訪れた各国首脳は、芳名録に記帳していますが、その机には複数の折り鶴が置かれていました。

バイデン大統領の前にも折り紙で作られた折り鶴があります。ほかにケースに入った折り鶴も…。この折り鶴は、広島・福山市の企業が、被爆後、12歳で亡くなった佐々木禎子さんの折り鶴を再現して作ったものでした。

キャステム 新規事業本部 池田真一 上席課長
「こちらが、G7サミットで各国の首脳や関係者に贈られた折り鶴です」

福山市の精密部品メーカー「キャステム」が手がけるステンレス製の折り鶴「SADAKO」です。

サミットで各国首脳が原爆資料館で芳名録に記帳した際、机に置かれた1つが、SADAKOでした。

池田真一 上席課長
「(サミット開幕の)3日ほど前に『正式に決まりました』と連絡がありました。急きょ、準備しまして」

この折り鶴は、被爆後12歳で亡くなった佐々木禎子さんが最後に折った紙の折り鶴を、3Dスキャンして再現したものです。

2年前、折り鶴が劣化するのを前に、世界中の人に届けられるようにと禎子さんの兄・雅弘さんらと協力して量産化しました。

池田真一上席課長
「佐々木家と一緒に取り組んで来たプロジェクトなので、本当に今回、これ以上ない機会といいますか、なんとしてでも形にして届けようという思いは全員にありました」

幅はわずか2.3センチ。サミットのため用意した66個には、羽の裏に「G7」「HIROSHIMA」と刻印を入れました。

キャステムによりますと、外務省から佐々木家に、各首脳が記念品としてSADAKOを持ち帰ったと連絡があったということです。

キャステム 新規事業本部 池田真一 上席課長
「各国のいろいろな方の手に渡ることで、禎子さんの思いやりの心や平和への願いが世界中に広まっていくことを本当に願っています」

さまざまな形で世界に広がる平和へのメッセージ…。すでに国内外から問い合わせが来ているということです。

このキャステム製「SADAKO」。羽の裏に「G7」などの刻印はありませんが、税込み1100円で原爆資料館やおりづるタワーのほか、キャステムの販売サイトなどでも買うことができるということです。

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