ブスケツ、アルバ退団の恩恵を受けるガビ。ついにトップチーム登録へ

写真:レジェンド2名の退団により、結果的にキャリアが拓かれたガビ ©Getty Images

5月10日にMFセルヒオ・ブスケツが、同24日にDFジョルディ・アルバが2022-23シーズン限りでの退団を発表したバルセロナ。クラブに黄金時代をもたらした2人の退団に多くのファンが感傷的な気分に浸っていることと思われるが、これによるプラスの効果もあるという。スペイン『アス』紙の電子版が伝えている。

同メディアによると、2人の退団で最も大きな恩恵を受けるのはMFガビだという。クラブは昨年9月にガビとの契約を2026年6月まで延長し、Bチームからトップチームへと引き上げるとともに、今年1月からはシャビ監督が現役時代に背負っていた6番を着用させようと画策していた。

当初、ラ・リーガはバルセロナが財政問題を抱えており、サラリーキャップ制度にも抵触していることを理由にガビのトップチーム登録を認めなかったが、クラブ側がバルセロナ商業裁判所に訴え、同裁判所がこの訴えを認めたためにトップチーム登録が可能になり、ガビは背番号6をつけてプレーしていた。

しかし3月、バルセロナが訴えを起こした際に訴状の提出期限を遵守していなかったことが明らかになり、裁判所が措置の取り消しを決定。ガビは再びBチーム所属となり、背番号30に戻されたうえ、昨年9月に結んだ契約も無効になってしまった。

従来の契約は2024年6月までで、今年7月1日までにバルセロナとの契約を更新できない場合は契約を解除できる条項が含まれているとされている。つまり、ガビ本人が他クラブへの移籍を望んだ場合、バルセロナが今夏、この“至宝”を無償で手放してしまう可能性もあった。

しかしブスケツとアルバが退団することによって彼らへの報酬の支払いが不要になったため、クラブの財政にはおよそ4000万ユーロ(約59億9000万円)の余裕ができた。これによって、ついにガビの新契約適用とトップチーム登録が可能になるという。

スポーツディレクターを務めるマテウ・アルマニー氏はおよそ1カ月前に「我々はガビとの契約を更新する。彼は間違いなくここに残り、このクラブでキャリアを全うする」と断言していたが、ひとまず今夏の退団は回避できることになりそうだ。

また、同メディアはガビと同様に契約更新に合意しながら新契約の締結が認められていないDFロナウド・アラウホとDFアレハンドロ・バルデについても、ブスケツとアルバの退団によって新契約締結にゴーサインが出るだろうと報じている。

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