加賀アウトレット構想 温泉駅前に商業ゾーン

アウトレットを含む商業ゾーンの整備計画が浮上している加賀温泉駅南側の農地=加賀市中代町(ドローンから)

  ●県外事業者提案 市、実現へ調査費計上

 北陸新幹線の開業を来春に控えた加賀温泉駅前で、アウトレットモールを含む大規模な商業ゾーンの整備構想が浮上していることが25日分かった。石川県外の民間事業者が加賀市に提案、市側は実現に向けて全面的に協力する方針で、関連の調査費を6月補正予算案に計上する。今秋には具体的な構想がまとまるとみられ、実現すれば県内初のアウトレット進出となる。

 商業ゾーンの構想は、開発コンサルタントの「長工」(三重県四日市市)がまとめた。計画地は加賀温泉駅近くの加賀市医療センター南側で、農地約80ヘクタールの一部にアウトレットモールやホテルを建設する計画となっている。

 一帯は宮元陸市長が「未来型商業エリア」を整備すると公約に掲げた場所で、市はこれまで複数の民間事業者に大型施設の開発を働き掛けてきた。これに呼応して長工が今年3月、市側に整備コンセプトを提案し、市は25日までに地権者や地元町会などに伝えた。

 整備コンセプトによると、アウトレットモールは北陸新幹線で加賀を訪れる観光客をターゲットに集客を図る。ビジネス客の利用を想定したホテル建設も盛り込まれたほか、他の業態の導入も検討する。

 長工は整備構想がまとまる今秋以降、用地取得や出店事業者の誘致を進める。規模や着工・完成時期は未定。一方、加賀市は開発を想定して交通状況の変化やインフラ整備に関する調査、必要な行政手続きを進める。

 宮元陸市長は北國新聞社の取材に対し「加賀市の活性化に向け、新幹線開業とともに数十年に一度のチャンスだ。市として全面協力したい」と話した。

 ★アウトレットモール 衣料や雑貨、スポーツ用品などのブランド品を割安で提供する店舗を集めた商業施設。国内には約30の大型アウトレットがあり、北陸では2015年、小矢部市に三井アウトレットパークが開業した。

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