「基地なかりせば」の仮定を退け 嘉手納基地内の土地補償、控訴を棄却 高裁那覇支部

 長期的に使用される米軍基地は、都市開発に悪影響を及ぼし地価上昇を抑制しているとして、嘉手納基地内の土地を所有する読谷村の住民らが、適正な補償を国に求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部(谷口豊裁判長)は25日、住民の請求を棄却した一審那覇地裁判決を支持し、原告の控訴を棄却した。

 原告側は、米軍による土地接収や強制使用がなかったと仮定する「基地なかりせば」という考えで、現在の西側地域と同様の開発が実施されたことを前提に土地を評価すべきなどと訴えていた。一審判決は「仮定の上での評価はできない」などとして原告の訴えを退けた。谷口裁判長は判決理由で、原告側主張の評価方法について「十分な合理性を肯定できない」と指摘した。

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