シェール、長年の友人だった故ティナ・ターナーの晩年を回顧「長い間この病気と闘っていた」

故ティナ・ターナーが長い闘病生活の末に83歳で亡くなったというニュースが流れた数時間後、長年の友人だったシェールが米MSNBCの『The Beat with Ari Melber』に電話出演し、【グラミー賞】を8回受賞、【ロックの殿堂】入りを2回果たしたティナへ賛辞を贈った。

シェールは、「(晩年の)彼女を訪ね始めたのは、“彼女のことを忘れていないとわかってもらうために、私たちの友情にこうした時間をかける必要がある”と思ったからです。だから私たちは交代で行って彼女と一緒に時間を過ごして、彼女はそれを喜んでいました」と振り返った。シェールとティナが初めて出会ったのは、後者が元夫の故アイク・ターナーと虐待を伴う結婚生活を続けていた頃だった。

シェールが初めてティナのスイスの自宅を訪ねた際、彼女は湖を見下ろす窓の前に置いた長椅子に横たわり、あまり長くは一緒に過ごせないと言ったそうだ。だがシェールは、「それから5時間後、私たちは狂ったように笑い、彼女は立ち上がって家の中で買ったものを全部見せたがったんです。楽しい時間を過ごしていましたよ、本当に体調が悪くて、それを人に知られたくないと思っていたにもかかわらず」と明かしている。ある共通の友人が、シェールとティナが一緒にいるときは、二人がお互いを笑わせてそれぞれが独特な笑い声を上げるため、いつも大騒ぎだったと言っていたとシェールは話している。

死因は明かされていないものの、“透析器が家に置かれていた”とシェールが語っていることから、腎不全や末期腎臓病を患っている人が通常使用する装置をティナが使っていた可能性が示唆される。ティナは腎障害に苦しんでいたことが知られており、2017年に再婚相手のアーウィン・バックから腎臓移植を受けた。

シェールは、「彼女は長い間この病気と闘っていたし、皆が思うようにとても強かった。でも最後の頃、一度私に、“もう準備はできている。もうこれ以上我慢したくない”って言ったんです」と述べている。

シェールは友人のことをロック史における“偉大なアーティストの一人”と呼び、彼女のような人はほかにいないと言った。「女性として、彼女はたくさんの力を与えてくれましたし、多くの若者を励ましたことでしょう。(中略)彼女が私にたくさん力をくれたこともありましたし、私も彼女にたくさんの力をあげました。正直言って、私たちはお互いに完璧な友人だったと思います」と彼女は振り返っている。

ティナのことを“力”と呼ぶシェールは、彼女が常に人生に“真正面から取り組み、止まるつもりもなかった”と述べ、「彼女は全ての戦いに勝つことはできなかったかもしれませんが、全ての戦争に参戦しました。自分が信じる全てのもののために戦っていたんです」と続けた。

シェールは、最後にティナと過ごした時のことを思いながら、彼女からとても思い出深い贈り物を受け取ったことを明かした。「最後に会った時、彼女は私に靴をくれたんです。どんな靴?ティナ・ターナーの靴よ!」とシェールは笑い、「あれを履いて何でもないかように歩き回っていた、大きなハイヒール」と語っている。

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