メタリカのジェイムズ・ヘットフィールド、入院中の負傷したウクライナ兵を訪問

最近開幕したメタリカのワールド・ツアー【M72】の欧州公演から、1週間休暇を取っていたシンガー/ギタリストのジェイムズ・ヘットフィールドが、自身の地元である米コロラド州のベール・ヘルス・ホスピタルで治療を受けている負傷したウクライナ兵を訪問する時間を設けた。

地元紙ベール・デイリーによると、ウクライナ軍人のRoman Denysiukは、車椅子から転落して大腿骨を再骨折し、足の修復手術が必要となったため、地元の非営利団体Limbs For Libertyを通じて2023年5月11日に同病院に運ばれ治療を受けていた。

入院中の彼を見舞いに来たLimbs For Libertyの共同設立者であるKelli Rohrigが車から降りようとしたところ、駐車場でヘットフィールドと遭遇した。ウクライナ兵の状況を説明され、見舞う時間があるかと尋ねられたヘットフィールドは“イエス”と答え、Denysiukともう一人のウクライナ人患者、Igor Voinyiと面会したと伝えられている。

男性たちの通訳を務めるOlga Milinanは、「メタリカの楽曲はウクライナでとても人気があります。若い頃、私たちは皆(メタリカを)聴き、彼らを見ることを夢見たものです」と述べた。同紙によると、男性たちがメタリカをよく知っているかと尋ねられた際、彼らはあきれた表情で、「ええ、もちろんです」と断言した。

Voinyiは同紙に対し、「予想外でした。最初の瞬間は彼だと信じられませんでした。短い時間でしたが、とても温かい出会いでした。病院ではなく、キャンプファイヤーで会ってお酒を飲めたらいいのに」と述べている。

Milinanによると、面会の間ヘットフィールドは、「男性たちに幸運と早く良くなることを祈った」とのことだ。彼はこの機会に感謝し、Rohrigの車に「あなたのおかげでいい日になりました」と書かれた付箋を残していったという。ロシアによるウクライナへ侵攻が始まってからちょうど1か月後にメタリカは、ウクライナ難民の食事を支援するため、バンドの慈善団体All Within My Handsを通じてWorld Central Kitchenに50万ドル(約6,900万円)を寄付した。Limbs For Libertyは、戦争で手足を失ったウクライナ人のために、医師や理学療法士と協力して義肢を制作している。

メタリカは5月26日にドイツ・ハンブルクのフォルクスパルクシュタディオンでの公演からツアーを再開する。

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