礼真琴「いつか挑戦したいと」 待望のフレンチ・ロック再演、宝塚星組「1789-バスティーユの恋人たち」

「複雑に絡み合う人間模様を丁寧に演じたい」と語る礼真琴=宝塚大劇場

 6月2日開幕の宝塚歌劇星組公演「1789-バスティーユの恋人たち」は、フランス革命をモチーフに2012年にフランスで初演され大ヒットしたフレンチ・ロックミュージカルだ。日本初演は15年の月組で、ファン待望の宝塚での再演が実現。革命に身を投じる青年を演じるトップ礼真琴(れいまこと)は「組のみんなと、もがき、悩んで作品を作り上げている」と、初日に向けて稽古に打ち込む日々という。(小尾絵生)

 「8年前の月組作品を見て衝撃を受けた。いつか挑戦したいと思っていた」

 礼演じる農民出身のロナンは架空の人物。父を銃殺され、その敵討ちを胸に、軍隊にも立ち向かう。礼は「(普通の)人にはない行動力や覚悟が備わっている男性」と解釈し、「地位はなくても一人一人の民衆の力が歴史を動かしたことを、ロナンで体現したい」と演技のプランを明かす。

 全編を彩るロックナンバーについては「学んできたクラシックとは全然違い、大きな壁」と苦戦している様子。海外のロックなども聴き込み、「今作の楽曲にはロックにしかない鼓動、力強さ、わくわく感がある。大曲ぞろいだが、星組の強みである勢いをもって、民衆のパワーを届けたい」と力強い。

 月組版ではトップ娘役は王妃マリー・アントワネットを演じたが、今回トップ娘役の舞空瞳(まいそらひとみ)はロナンと恋に落ちるヒロイン、オランプ役。礼は「頑固で意志の強いところが似ているからこそ、ぶつかりひかれ合う2人なので、遠慮せずバシバシぶつかってきてほしい」と伝えているという。

 潤色・演出の小池修一郎は制作発表で、過去作品と比べ「ロナンとオランプの2人に焦点を合わせた作品になる」と語っている。新曲「愛し合う自由」も加わり、星組版の演出に期待が募る。

 6月2日~7月2日、宝塚大劇場、7月22日~8月27日、東京宝塚劇場で上演。

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