【赤いネットワークの闇】仁藤夢乃の師匠と〝西早稲田〟|池田良子 〝西早稲田〟をはじめとする赤いネットワークの危険を察知していた安倍元総理。だが、自民党議員の多くは無関心か無知である。北村晴男弁護士は言う。「詐欺師に一見して『悪い人』はいない。『いい人』だと思われなければ人を騙すことなどできないからだ」。(サムネイルは仁藤夢乃氏twitterより)

仁藤夢乃と生活保護ビジネス

2月20日、浅野文直川崎市議が一般社団法人『Colabo』代表である仁藤夢乃の刑事告発を予定していると発言した動画「チャンネル正論」が配信された。

詳細は割愛するが、ガールズバーで働いていた女性を〝保護〟し、生活保護を不正に受給させていたなどの疑惑である。多くの人が疑問に思うのは、「生活保護ビジネスを行っていたかどうかはともかく、なぜ、仁藤はこれほど生活保護制度に詳しいのか」という点だろう。

この疑問に答えるにあたって、まずは11年前のある騒動の説明から始めたい。

騒動の発端は、2012年4月に出されたある女性週刊誌の記事である。その記事では、あるお笑い芸人の年収が5000万円とも推定されるにもかかわらず、その母親が生活保護を受給していることなどが報じられた。

この騒動に対し、2012年6月14日、参議院の総務委員会で片山さつき参議院議員がこう発言している。

「(ある番組で)生活保護申請に同行する活動を行うという字幕でFさんという弁護士さんが出てこられまして、その方が確定的に、絶対にこれ(お笑い芸人の母親が生活保護を受給していた問題)は正当な受給であるに近いようなことを、しかも民法の専門、こういったことの専門の立場からしてそうであるというようなことを何回も言い切っておられまして、現実問題として、その翌日等に地域によっては福祉事務所への問合せが数倍になったと。つまり、あのケースで白なのであれば何でもありじゃないの、何でうちはもらえないのということです」

「今日お手元にお配りした紙の2枚目を見ていただくと、この上段の写真は、これ実は新宿区の西早稲田にある、ある共同ビル、コンプレックスの中に入っている団体なんですよ。地元の我が党の支援者の方に撮ってきていただきましたが、この中に従軍慰安婦の問題の積極的な活動、それから朝鮮学校の無償化に対する積極的な活動の拠点が全部あります。

それから、石原知事やめろネットワークもここにあります。あの尖閣諸島を買うと言ったからだと思います。この右下の方を見ると、天皇制の粉砕を訴える集会も開催しているということで、極めて特殊な思想ですよね。

こういったことのなかで、外国人の参政権の問題の雑誌のようなものがございまして、先ほど私が指摘しました、断定的なコメントをされた弁護士さんはそこのメンバーで、そこの雑誌に記載をされております」

仁藤夢乃と「西早稲田にある団体」

片山議員が指摘した「西早稲田にある団体」と仁藤夢乃は関係が深い。東京都新宿区の西早稲田にある共同ビルのなかに入っている団体には、「女たちの戦争と平和資料館(WAM)」、「国際協力NGOセンター(JANIC)」、「日本基督教団」などがある。

WAMは、慰安婦問題に焦点をあてた資料館だ。館内に潜入取材し、「昭和天皇の銃殺刑」のイラストを掲げていることが確認できたと杉田水脈衆議院議員(当時は落選中)が、2016年9月22日の産経新聞に書いている。

このイラストは、2000年に開催された「女性国際戦犯法廷」の象徴として飾られているとのこと。この「法廷」には、朴元淳(元ソウル市長。検事役で参加し昭和天皇を起訴した人物であり、2020年、女性への強制わいせつ等の罪で告訴状が警察に受理された翌日に自殺)のほか、黄虎男(北朝鮮の工作員として日本政府が入国拒否)、土井たか子社民党党首から金を受け取っていたとされる挺対協(現・正義連)代表の尹貞玉などが参加している。

なお、土井と言えば、北朝鮮工作員の辛光洙らに弟を拉致された原耕一が「(土井が)北朝鮮は紳士的な国だというような意味の発言をしていた」というように、北朝鮮に関わるエピソードに事欠かない人物だ。

2020年7月、ソウル市北部の山中で遺体として発見された朴元淳
1989年、韓国で逮捕された辛光洙容疑者の釈放を求める嘆願書に署名した土井たか子

赤石千衣子と「第4インターナショナル」

仁藤は韓国を訪れ、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)が主催する「水曜デモ」に複数回参加していることをツイート。正義連のホームページに掲載されている後援団体の一覧には、「日本COLABO」の名がある。

JANICは、昨年12月9日、仁藤をコーディネーターとする「性売買の実態と女性の人権を考える」というイベントを開催。また、JANICの2020年の助成先団体には、赤石千衣子が理事長を務めるNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」や、NPO法人「ぱっぷす」が含まれている。「ぱっぷす」の元副理事長の北原みのりは、「Colaboと仁藤夢乃さんを支える会」の呼びかけ人の一人である。

赤石は、以前、「ふぇみん婦人民主クラブ」の代表を務めていた。この団体は、1946年に結成された女性団体「婦人民主クラブ」が分裂した際、過激派暴力集団を支援する活動家らが作った団体を母体とし、1984年に「中核派系」と「第4インターナショナル系」で内ゲバがおき再分裂した結果、設立されたとのことである。なお、「第4インターナショナル(日本革命的共産主義者同盟)」は成田闘争(後述)に積極的に関与したことで知られる団体だ。

2013年、大阪府警の公安三課(過激派担当)が「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」のメンバー宅などを捜索し4名を傷害容疑で逮捕した。これに対し、各種団体が連名で抗議文を発表したが、そのなかにはふぇみん婦人民主クラブの名もある。なお、赤石自身、挺対協が運営する「『戦争と女性の人権博物館』日本建設委員会」に資金を拠出している。

日本基督教団と在日大韓基督教会

日本基督教団についてであるが、教団のホームページを見ると、「安倍政権は、北朝鮮や中国の脅威を過度に強調し対決姿勢をあらわにしながら、武器輸出三原則見直し、集団的自衛権行使容認、安保関連法制に続き、憲法第九条への自衛隊明記を主張し、戦争のできる国への道を突き進もうとしています」(2019年日本基督教団・在日大韓基督教会平和メッセージ)などとある。

日本基督教団と在日大韓基督教会については、名古屋出入国在留管理局に収容中のスリランカ人女性が2021年に死亡した事件(ウィシュマさん死亡事件)の祭典の代表をしていたことで、その存在を知った人もいるだろう。

その在日大韓基督教会であるが、日本キリスト教協議会とともに、2019年8月、「祖国の平和統一のための礼拝を捧げる計画を協議するため」に北朝鮮を訪問したと『朝鮮新報』が報じている。そして、在日大韓基督教会と日本キリスト教協議会は、日本基督教団と住所が同じ「西早稲田の団体」である。

なお、石破茂衆議院議員は、日本基督教団と関係が深い。石破議員は、日本基督教団・鳥取教会において18歳で洗礼を受け、2018年時点で陪餐会員とのことである。

百人町教会の牧師と成田闘争

この日本基督教団と仁藤は、ある人物を介して非常に近い関係にある。その人物の名は、阿蘇敏文という。日本基督教団のホームページによると、清津府(朝鮮)に生まれ、百人町教会(旧大久保集会)の牧師で、2010年に亡くなっている。

仁藤は、高校中退後、大手予備校の高等学校卒業程度認定試験コースに通い、そこで予備校講師を務める阿蘇と出会う。そして、その思想や活動に共鳴していった。

阿蘇は、学生運動・三里塚闘争(成田闘争)に加わった活動家の一面を持っていた。

成田闘争については、警察庁が2004年に出版した『焦点』第269号に、こう記されている。

《昭和41年7月、新東京国際空港(以下「成田空港」という。)の建設予定地が千葉県成田市三里塚に閣議決定されたことを受け、地元農民を中心にして「三里塚芝山連合空港反対同盟」(以下「反対同盟」という。)が結成され、空港建設反対運動(いわゆる成田闘争)が開始されました。当初は、農民が農地を守るというものでしたが、翌42年9月に過激派が介入したことにより、成田闘争は長期かつ過激な闘争へと転化しました。

過激派のねらいは、成田空港を「日帝の海外侵略基地」、「軍事空港」等ととらえ、「70年安保闘争」で盛り上がりをみせた武装闘争を引き継ぐために、成田を「革命の砦」と位置付け、過激な闘争を展開し、我が国を革命情勢に引き込むことにあります。

闘争に介入した過激派は(略)大量の火炎びんや石塊を警察部隊に投げ込んだり、竹槍、鉄パイプ等を使用した大規模な武装闘争を展開しました。(略)これまでに過激派の「テロ、ゲリラ」により、民間人等6人、警察官4人が殺害されたほか、多くの人が被害を受けています》

1978年に阿蘇が百人町教会(旧大久保集会)の機関紙に寄稿した文章にはこう記されている。

《大久保集会が、反天皇制、反権力の戦いを方針とする限り、三里塚の問題は避けて通れる問題では決してない。何故なら、三里塚の闘いは、日本にある全ての戦いの象徴であり、最大の鮮明な敵だからである》

また、阿蘇は、2005年に出版した著書『現場からの道』に《私は三里塚闘争を通して「過激派」といわれる人々とも出会ったが、彼らの真摯な姿勢には頭が下がる思いをした》と記している。

「百人町事件」とヘイトスピーチ解消法

阿蘇が活動を展開した「百人町」は、公安関係者の間では、「百人町事件」の舞台として、良く知られた地名だ。百人町事件については、警察庁が2005年に出版した『焦点』第271号に以下の記述がある。

《工作員として獲得された在日朝鮮人と日本人が、北朝鮮でスパイ訓練を受けた後、日本等で韓国人に対する獲得工作及び財政工作を行っていたスパイ事件です。(略)警視庁は、2000年(12年)11月21日、Aを詐欺で、Bを電磁的公正証書原本不実記録等で検挙しました》

2016年7月3日の産経新聞「加藤達也の虎穴に入らずんば」というコラムには、Aと記されている康成輝についてこう記されている。

《摘発当時、関係先から大量の資料が押収されたが、公安部の目を引いたのは昭和49年7月下旬に康が北朝鮮で受けた教育内容だった。そこには日本を「敵地」として工作の目標や公安当局の監視を免れるための注意点が記されていた。

康は東京・新宿のキリスト教会を隠れみのに北朝鮮の命を受け、韓国で親北朝鮮ムードを醸成する工作をしていたが、日本国内でも政治・経済界への浸透工作を進めていた。取材時、筆者は「工作対象は、どのような人か」と尋ねてみた。康が挙げた中に鳩山元首相の名前があった》

なお、この事件を言及するにあたり、併せて述べなければならないことがある。

2016年に「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(ヘイトスピーチ解消法)が施行された。この法に規定するように、本邦外出身者又はその子孫に対して不当な差別的言動がなされることは許されない。また、法成立時の付帯決議にあるように、差別意識を助長し又は誘発する目的で行われる排他的言動も決してあってはならない。

しかし、その点に過敏になるあまり、国家の安全を犯しかねない活動についての告発を委縮するようなことがあっていいのか。

康成輝を逮捕した元警視庁公安部外事二課警部によると、康は日本において「包摂活動」(本邦外出身者を共産圏側に抱き込む活動)を行い、北朝鮮に家族がいる者を半ば脅して協力させるなどの工作もしていたという。「ヘイト」を怒れて、これらを見逃すことがあってはならない。

日本キリスト教婦人矯風会と「慰安婦問題」

日本基督教団の牧師である阿蘇の活動と赤いネットワークとの関係で特筆すべき点は、百人町にある日本キリスト教婦人矯風会(矯風会)との関係である。

阿蘇は、前述の『現場からの道』に《百人町教会は、固有の会堂を、当時から35年を経た今日に至るまで保有していない。会堂を持たずに大久保にある日本キリスト教婦人矯風会の女子寮の食堂を日曜だけ借りて礼拝をし、今日に至っている》と書いている。

矯風会は、拙著『実子誘拐ビジネスの闇』(飛鳥新社刊)でもとり上げたが、1886年に公娼制度廃止などを目的に創設された団体でDVシェルター「ステップハウス」などを運営している。

『祖国と青年』の2016年8月号の記事によると、
《矯風会は「慰安婦問題」の火付け役を自認しており、昭和六十三年頃から慰安婦問題に関わるようになったという。さらに平成十四年から二十三年までステップハウス所長を務めていた東海林路得子は、従軍慰安婦問題を取り上げた女性国際戦犯法廷を主催した「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの共同代表も務めた人物だ。

元慰安婦の韓国人女性と韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などによる日本政府に対する抗議集会「水曜デモ」も支援している。親北組織である挺対協と協力関係にあること自体に矯風会のいかがわしさが滲み出ている》と記載されている。

矯風会ステップハウス編『女性への暴力防止・法整備のための国連ハンドブック』の解説を書いた角田由紀子は、慰安婦捏造記事裁判において記事を書いた朝日新聞記者の植村隆の弁護団副団長として、 昨年11月29日の「Colaboとその代表仁藤夢乃に対する深刻な妨害に関する提訴記者会見」弁護団の一員として、また日本の若者が慰安婦問題を学ぶ資金を提供する「希望のたね基金」の顧問として広く知られている。

なお、基金設立の会見には挺対協代表の尹美香も参加している。尹美香は1990年に韓国キリスト教長老会幹事に就任した人物で、2020年4月、韓国の国会議員として当選。同年9月、元慰安婦施設への寄付金横領など8つの罪で起訴、本年2月、韓国地裁は横領を認定し有罪判決が下された。

また、韓国最高裁により「反国家団体(=親北)である在日韓国民主統一連合から金品を受け取った」として北朝鮮のスパイ活動関与により有罪判決が下された夫の金三石とともに、慰安婦休養施設で脱北者に「北に戻れ」と懐柔している。

赤いネットワークと困難女性支援法

このように西早稲田にある日本基督教団・WAMと百人町にある矯風会は関係が深い。地理的にも、ともに東京都新宿区にあり1.5キロほどしか離れていない。

矯風会は、NPO法人「全国女性シェルターネット」(以下、シェルターネット)とも非常に緊密な関係にある。その証拠として、シェルターネットが、2006年まで百人町にある矯風会第二会館に法人の住所を置いていたことや、シェルターネットの元代表の大津恵子が矯風会の元理事であったことなどが挙げられる。

シェルターネットと赤石千衣子も非常に関係が深い。

シェルターネットが矯風会第二会館から移転した先の住所と、赤石が副代表を勤めていた「反貧困ネットワーク」(宇都宮健児元日弁連会長が代表)の住所が同じであり、昨年9月28日に開催された「DVと子ども」と題するシンポジウムでは、赤石千衣子が参加し、シェルターネット代表の北仲千里が司会をしている。

シェルターネットがさらに移転した先の住所は、お茶の水女子大学名誉教授の戒能民江が代表をつとめる「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」の住所と同じである。

戒能民江は、厚生労働省子ども家庭局が主催する「困難な問題を抱える女性のあり方に関する検討会」(以下「検討会」)の委員を、仁藤夢乃、近藤恵子(シェルターネット元代表)、大谷恭子(若草プロジェクト代表)、村木太郎(若草プロジェクト理事、村木厚子元厚生労働事務次官の夫で元厚生労働官僚)などとともにつとめていた。

その検討会第9回に、戒能・大谷・村木らが提出した資料こそ、冒頭の「仁藤が誰から生活保護制度の指導を受けたのか」との質問の解答となっている。

この資料のタイトルは、「困難な問題を抱える女性への支援の将来イメージ」となっている。このイメージ図に描かれた「困難な問題を抱える女性」をたらい回しにする仕組みは、これまで赤いネットワークが作り上げて来たビジネスモデルをベースとしていると言って良い。生活保護費支給申請のあっせん・仲介については、この図の「アフター支援」に該当する。

この仕組みの対象を増やすためには、人々の人間関係を破壊し、孤独・孤立状態に持っていくことが非常に重要である。家族はできる限り解体し、「ひとり親世帯」を増やす。親子関係も断絶させる。新宿の歌舞伎町周辺には、家庭に居場所のなくなった家出少女らがごった返している状況こそ、赤いネットワークが理想とする社会である。

孤独・孤立状態に陥った彼女らに、DV・性暴力などの被害に遭ったと言わせれば、「困難な女性」として、上図に書かれたベルトコンベヤーに乗せることができる。そんな仕組みを拡大しようと蠢く団体が集まっているのが、内閣官房の「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」だ。

赤いネットワークと北朝鮮の家族法

会員を見ると、社会的包摂サポートセンター、しんぐるまざあず・ふぉーらむ、シェルターネット、BONDプロジェクト、若草プロジェクト、フローレンス、ぱっぷす、抱樸(Colabo理事である奥田知志が代表)など赤いネットワークの関係者が勢ぞろいしている。そして、内閣官房孤独・孤立対策担当室の政策参与として村木厚子元厚労事務次官が関与する――。

ナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)を熱狂的に支持したドイツ国民を分析したフロム著『自由からの逃走』には、次のような一節がある。

《個人に安定感を与えていた第一次的な絆がひとたび断ち切られるや否や、無力感と孤独感との堪えがたい状態に打ち克つために二つの道が開かれる。一つの道によって、彼は『積極的自由』へと進むことができる。

もう一つの道は、自由を捨てさせる。そして個人的自我と世界との間に生じた分裂を消滅させることによって、彼の孤独感に打ち克とうと努力する。この道は逃避にすぎない。このメカニズムは、服従と支配への努力という形で、はっきりと表れる》

いまの日本は、フロムが描写したナチス台頭前夜と同様の状況になりつつある――。

本年5月5日、「Hanadaプラス」に寄稿した『「共同親権」を潰す赤いネットワークと北朝鮮の家族法』のなかでも紹介した『朝鮮民主主義人民共和国の家族法』と北朝鮮の社会主義憲法を読めば、赤いネットワークの主張する政策が北朝鮮の家族法制度と酷似していることがわかる。

彼らが北朝鮮と同様の全体主義国家を作り上げるために、まず狙うのは「家族の解体」だ。なぜなら、全体主義国家の実現を阻む最大の障害は「家族への愛情」だからである。

人々のなかに「夫婦の絆」や「親子の絆」が残っていたまま国家が人々を支配しようとすれば、多くの人々は、その絆を守るため、相手が国家であろうと全力で戦うだろう。

そんな厄介なことにならないよう、赤いネットワークは「一次的な絆」のなかでも最も強力な「家族の絆」の破壊から着手したのである。

赤いネットワークと社会を破壊する法案

岸田総理より前で写る赤石千衣子

「家族の一次的な絆」が失われた社会がどのようなものとなるかは、ある脱北した男性に対するCNNのインタビュー番組を見ればわかる。その男性は、北朝鮮にいた際、脱走しようとする母と兄を政府に密告した。母と兄は、男性の目の前で処刑されたという。

彼は、密告した理由として「罪を犯した者を告発するのは正しい」こと、「密告すれば褒賞として飢えをしのげるだけの食料をもらえると考えた」こと、「『家族』という概念が当時自分の置かれた環境には存在しておらず、親への愛情や愛着というものを感じたことは一度もなく、親も他人も全く変わらなかった」ことの3つを挙げている。

現在、赤いネットワークが日本で仕掛けている「家族解体」が完了すれば、同様の状況は日本でも見られるようになるだろう。

今国会には、赤いネットワークにより、社会を破壊する法案が次々と提出されている――。

戒能やシェルターネット代表の北仲らの働きで、今国会に精神的DVをDVの定義に含むDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)改正法案が提出された。

また、「不同意性交罪」(被害者が「同意しない意思」を表明することなどが難しい場合も加害者を処罰できる)を導入する刑法改正案も今国会に提出される予定だ。この罪は婚姻中の夫婦にも適用される。両法の改正後、男性にとって、結婚とは極めてリスクの高い行為になる。

さらに、戒能や赤石らは、事実上、離婚後単独親権制を温存する〝エセ共同親権制〟導入に向けて着々と布石を打っている。この根底にあるのは、親子の関係断絶である。すべての父親は配偶者暴力や児童虐待を働いているものとみなし、離婚後は母親の同意なくして子どもに会うことは許されなくなる。

いまでも、裁判所による不当な判決を受け、数多くの親が子に会えず自殺に追い込まれ、親に会えない子も自殺に追い込まれているが、この非人道的な裁判所の運用が制度として固定化されるのだ。

「全体主義などいつの時代の話だ」とまともに取り合わない人もいるかもしれない。だが、赤いネットワークは確実に政府内に根を広げている。彼らをパージしなければ、日本もいずれ全体主義社会になるだろう。

(文中一部敬称略)

著者略歴

池田良子

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