国内最大級のサツキの祭典開幕 250本の銘木展示 鹿沼さつき祭り、6月5日まで

色とりどりのサツキが並ぶ会場

 国内最大級のサツキの祭典「第52回鹿沼さつき祭り」が27日、開幕した。栃木県鹿沼市茂呂の市花木センターと同市奈佐原町のJAかみつが鹿沼花木センターに計約250本の銘木が展示されている。初日は苗木の無料配布会も開かれ、県内外のサツキ愛好家らでにぎわった。6月5日まで。

 1972年に始まり、毎年サツキが見頃を迎える5月の最終土曜から10日間にわたり開催。今年は温暖な日が続き、見頃を過ぎたサツキも多く、例年より50本ほど出品が少ないという。

 市花木センターで行われたオープニングセレモニーで佐藤信(さとうしん)市長は「生産者が大変な苦労をして育てた作品。出品数が少ない分、ゆっくりとご覧になって」とあいさつ。その後、さつきが丘小の6年生に、児童が1年生の時に挿し芽し同センターで管理していたサツキが贈られた。

 同センターには全23部門の入賞作品も並んだ。最高賞の内閣総理大臣賞に輝いた、さいたま市緑区大門、とび職野崎実(のざきみのる)さん(76)作の「光琳」は、苗木を植えてから出品するまでに20年を要した力作。高さ75センチ、幹周り50センチと存在感抜群で、来場者も思わず足を止め見入っていた。野崎さんは「5月初旬に開花が始まり(祭りに)時期を合わせるのが大変だった。報われてよかった」と喜びを語った。

 鹿沼南高環境緑地科の生徒が一部を手がけた苗木の無料配布会も開かれた。配布する30分前には行列ができ、開始10分ほどで150本を配り終えた。同校3年駒場優平(こまばゆうへい)さん(17)は「心を込めて育てた苗木が人気でよかった」と話した。

 同センターではほかにも「世界に拓く SATSUKI展示」として、米国やドイツなど5カ国の愛好家が育てたサツキも展示している。展示は最終日まで続き、無料配布会は28日、6月3、4日にも開かれる。午前9時~午後5時。

 (問)同祭り実行委員会事務局0289.76.2310。

苗木無料配布会に並ぶ来場者ら
苗木を配る鹿沼南高の生徒(右)ら

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