花と書の共演、伝統美 富山大和で県いけ花作家協会展 5月28日最終日

書と共演した生け花の大作に見入る来場者=富山市の大和富山店

 富山新聞創刊100年と富山県いけ花作家協会設立30年を記念した第30回富山県いけ花作家協会展(同協会、富山新聞社、北國新聞社主催)は2日目の27日、会場となった富山市の大和富山店に愛好者らが続々と訪れ、にぎわいを見せた。来場者は生け花と書の共作や富山商高書道部のパフォーマンスを通じて、日本の伝統美を感じ取った。

 「花・未来にむけて」をテーマに、古流柏葉会、草月流、嵯峨御流、遠州秀月流の県内4流派が出品し、美術作品との共作など計47点を並べている。

 協会専務理事の向井節甫さんら嵯峨御流の6人の大作は、高岡市の臨済宗国泰寺派大本山・国泰寺(高岡市)の澤大道管長がしたためた「そのときどう動く」の書とジョイントさせた。水に見立てた奉書の上に竹を飾って澤管長の書の荘厳さを引き出し、紅白の花材で祝祭感を演出した。

 富山市の専門学生河上史奈さん(18)は「生け花の生命力と書のみやびさが、互いに魅力を引き立てている」と感心した。

  ●富山商高書道部がパフォーマンス

 節目を祝い、会場では富山商高21人による書道のパフォーマンスが繰り広げられた。ヒット曲「世界に一つだけの花」のメロディーに合わせ、部員が縦約2メートル、横約4メートルの紙に「飛翔 咲きほこる笑顔の花」などとしたためた。来場者が手拍子して盛り上げた。「飛翔」の文字には富山新聞と協会の末永い発展の願いが込められており、嶋田聖那部長(3年)は「満足のいく作品に仕上がった」と笑顔を見せた。

 書道部員はパフォーマンス後、生け花を鑑賞した。大筆を担当した西原叶さん(3年)は「生け花と書道はどちらも日本の伝統文化という共通点があるので、作品が調和している」と話した。

 最終日の28日は午前10時から午後6時まで開かれる。入場料は600円で、高校生以下は無料となる。

書道のパフォーマンスを見せる富山商高の生徒

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