カネミ油症被害者五島市の会 次世代調査報告に期待

総会であいさつする旭梶山会長=五島市役所

 カネミ油症被害者五島市の会は27日、市内で本年度総会を開催。旭梶山英臣会長はあいさつで、全国油症治療研究班(事務局・九州大)が進めている、認定患者の子や孫ら次世代被害者への調査について、「何らか前向きな状況があると見計らっている」と救済に向けた期待感を示した。
 現在の認定基準は、油症の主因ダイオキシン類の血中濃度を重視。被害者側は子や孫を含め、疾病がありながらも濃度が低いため認定されず、十分な救済につながっていないとして、基準の見直しを求めている。
 同研究班は2021年度から、子や孫に特化した健康影響調査を開始。6月下旬にこれまでの調査内容を報告する見通し。旭梶山会長は「例えば(子らの)先天性の疾患などが加味されるのではないか。結果を待ちたい」と述べた。
 総会は新型コロナウイルスの影響で、対面での開催は4年ぶり。会員ら約20人が出席した。汚染油を直接摂取した未認定患者や次世代被害者の救済を、引き続き国に求めることなど本年度の活動計画を決めた。

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