日本一短い手紙をパックンが審査…福井県坂井市の一筆啓上賞ゲスト選考委員に就任 「手紙文化を世界へ発信」

「一筆啓上賞」のゲスト選考委員に決まったパトリック・ハーランさん=5月24日、福井県坂井市の一筆啓上日本一短い手紙の館

 福井県坂井市と丸岡文化財団の日本一短い手紙コンクール「一筆啓上賞」の新ゲスト選考委員に、テレビのコメンテーターとして活躍するお笑いコンビ「パックンマックン」のパトリック・ハーランさん(52)が5月24日、就任した。同市の一筆啓上日本一短い手紙の館で会見したハーランさんは「日本語は漢字もしっかり読める。こう見えてお笑い芸人なので、(選考では)ちゃんとオチがあるかなど見て選んでいきたい」と抱負を語った。

 旧丸岡町時代から30回を数える同賞で外国人の選考委員は初めて。ハーランさんを選考委員に選んだ理由について主催者側は「賞が30回を超え、多様なバックグラウンド(背景)を持つ委員が就くことで幅広い作品が集まることを期待している」としている。

⇒お笑いコンビ「NON STYLE」石田明さんが福井の中高生に話し方授業

 ハーランさんは「日本には意外なほど手紙文化が根付いている。テレビでも、自分の思いを伝える場面で手紙を読む演出があるが、米国にはそんな文化はない。しかもこの賞はたった40文字の短い文で思いを伝える。ある意味、簡潔さが日本語の良さ。僕が選考することで、この手紙文化が世界に発信できたらうれしい」と語った。

 応募作はすべて日本語で苦労しないかとの質問に「福井に来た2年目に日本語能力試験1級を取った。漢字も大丈夫。30歳くらいの日本人より僕の方が日本語を読む能力はある」と胸を張った。

 県のふくいブランド大使や福井市観光大使を務めるが、坂井市との関わりは初めて。「若いころ三国の海や丸岡城、エンゼルランドふくいによく来た。今は合併して本当にいい市になった」と話し、池田禎孝市長と握手を交わした。

 ハーランさんは10月20日まで募集している第31回一筆啓上賞(テーマ「時(とき)」)から選考に加わる。ゲスト選考委員は、2000年に務めたシンガー・ソングライターの小室等さん以来2人目。

© 株式会社福井新聞社