平和交流 学び深める 長崎・山里中と京都御池中 被爆遺構巡り 対面で伝える

平和学習で学んだことを伝える山里中の生徒ら(右)=長崎市松山町、平和公園

 長崎原爆の爆心地に近い長崎市立山里中と京都市立京都御池中の生徒たちが27日長崎県長崎市の平和公園周辺に点在する被爆遺構などを巡り、平和の大切さをともに考えた。
 本県出身の京都御池中の教諭が昨年、戦争の悲惨さを次世代に伝えていこうと山里中との交流を申し出た。今年2月、京都御池中の教職員が山里中の「平和の灯を受け継ぐ集会」にリモートで参加。5月1日、両校3年生がオンラインで平和学習の取り組みをそれぞれ紹介し、学びを深めてきた。
 今回、京都御池中が長崎市を修学旅行で訪れ、同校3年の216人と山里中3年の有志約50人が対面で交流。京都御池中の生徒から千羽鶴を受け取った山里中の黒川海空さん(14)は「千羽鶴には平和の思いが込められている。平和学習で学んできたことを伝えたい」とあいさつした。
 山里中の生徒たちは浦上天主堂(本尾町)や如己堂(上野町)などでプラカードを使い、京都御池中の生徒たちに原爆の被害状況などを伝えた。平和祈念像前で説明を聞いた石田天飛さん(15)は「(平和祈念像は)迫力がある。リモートと違って対面だと表情から内容がはっきりと伝わった」と感想。山里中の花田里桜さん(14)は「対面の方が伝わる。少しでも平和の大切さを知ってくれたら」と話した。

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