バサジィ大分 開幕戦で見えた今季のスタイル 【大分県】

フットサルFリーグ

第1節 5月28日 サイクルショップコダマ大洲アリーナ

バサジィ大分4-3ボルクバレット北九州

昨季半ばに就任した狩野新監督は今季、組織の前に個人、戦術の前にアグレッシブに戦う姿勢を打ち出した。大事な開幕戦では、随所に「狩野カラー」が見えた。

序盤は開幕特有の緊張から動きは硬く、「前半は失点しなければいい」との狩野監督のオーダーは届かなかった。警戒していたセットプレーを含む2失点を許した。それでも期待の新加入・田口大雅の移籍後初ゴールで後半を迎える。「前半終了間際の得点で1点差となったのは大きかった」と指揮官が振り返ったように、後半は息を吹き返した。

ハーフタイムには狩野監督から「こぼれ球やルーズボールのところで絶対に負けるな」とげきが飛び、一人一人の守備強度が強まり、守備から攻撃のトランジション(切り替え)が速くなることで、決定機が増えた。後半3分にチーム在籍17年目の生え抜き・仁部屋和弘がセットプレーから同点ゴールを決めると勢いは増した。同24分にはハーフウェイライン付近で相手のボール保持者に対し、激しいコンタクトから二人がかりでボールを奪うと宮下豪也がボールを運び、田口のワンツーで抜け出し、逆転ゴールを決めた。狩野監督の言葉を借りれば、大分にとって「目指す形の一つが出た」。

移籍後初ゴールを決めた田口大雅

その後は反撃を試みる北九州に対して守りに入らず、真っ向勝負。球際で負けず、ゴール前では体を張り、カウンターから追加点を奪うまでは思い通りの展開だったに違いない。しかし、2点リードしてからはパスを回して時間を使い、攻撃に緩急をつけるなど試合をコントロールできなかったことは課題だろう。さらに試合終了間際にセットプレーから失点。この試合2点を失ったセットプレー対策は急務だ。

それでも開幕戦で勝利し、自分たちのスタイルを打ち出せたことは間違いなく今後の自信になる。若いチームにとって結果ほど良薬になるものはない。田口、宮下ら20歳前後の新加入が結果を出したことも好材料となる。仁部屋が「2失点してからの逆転は大きい。開幕で勝てたことはポジティブに捉えたい」と語るように、大分にとって課題もあったがそれを上回る収穫の多い開幕戦となった。

開幕戦に勝利し喜ぶ選手たち

(柚野真也)

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