県高校総体 ローイング男子 シングルスカルとダブルスカルを制した日田三隈が3年ぶりのV 【大分県】

国際基準に合わせて、競技名をボートから変更したローイングの県高校総体は27、28の両日、日田市の夜明ボートコースで行われた。日田三隈がシングルスカルとダブルスカルを制して総合成績により、男子の学校対抗で3年ぶりに優勝した。林仁哉監督は「経験の少ない選手が多いが、力を発揮した。伸びしろがあるので九州大会、全国大会までさらに成長できる」と今後の大会への手応えを語った。

ダブルスカルに出場した林瑞騎と上地都希矢の2年生ペアは、部内でトップの2人。これまでは、かじ付きクォドルプルのメンバーとして試合に出場したことがあるが、今大会で初めてペアを組んだ。「お互いに言いたいことを言うのでケンカが多い」と林がいえば、「仲間であるがライバルの意識の方が強い。負けたくない相手」と上地が応戦する。それでも互いに認め合う2人は、結成2週間でも息を合わせ、優勝にたどり着いた。

息がぴったりの林瑞騎・上地都希矢ペア

予選を1位通過し、決勝レースでは予選から6秒42を短縮する3分48秒20で頂点に立った。林は「最初からスパートしたかったが、他が速くて抜け出せなかった。中盤の苦しいところで再スパートをかけることができた」と勝因を語り、上地は「俺たちならやれると声を掛け、ストロークを合わせることで力が出た」と苦しい展開を勝ち切れたことを喜んだ。小学生から仲良しの2人は、高校入学を機にローイングを始め、競うように筋力トレーニングで体を大きくし、競技に打ち込んだ。初めての全国舞台に向け、「インターハイ(全国高校総体)では全力を出し切る。その先に結果がある」と声をそろえた。

シングルスカルで優勝した櫛野亨斗も2年生。他の部員と同じく高校から競技を始めた。中学までバスケットボール、水泳をしていた体力を武器に出力にこだわり、オールをこぎ続けた。林や上地と同じかじ付きクォドルプルのメンバーだったが、初めてシングル艇に乗り出場した。「予選、決勝とも緊張でガチガチのスタートで、思い描くレースができなかった」と反省するが、技術を補うパワーを見せつけ予選、決勝ともトップでゴールした。「もっと力を付けて経験を積みたい」と今後の上級大会に向けて意気込みを語った。

シングルスカルで優勝した櫛野亨斗(手前)

(柚野真也)

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