長崎県で教員の「夏休み充電宣言」導入へ なり手不足の解消図る 県教委

 長崎県教委は、教員の職業としての魅力アップや、なり手不足の解消に向けた本県独自のプラン「学校の働きがい改革2023」をまとめた。教員に夏期休暇を十分に取らせ、主体的な学びができる環境を整える「夏休み充電宣言」の導入や、学校スタッフに多彩な人材を送り込むためのマッチングシステム導入などが柱。教員採用改革も進め、大学などからの推薦特別採用枠を拡大する。
 29日に佐世保市であった県市町教委の合同研修会で、中﨑謙司県教育長が21市町の教育長に示した。
 教員のなり手不足は全国的な課題となっている。県教委によると、本県の教員志願者も10年前の2013年度の採用試験時に比べ、23年度は4割以上少ない1076人にとどまっている。県教委は「長時間勤務といったブラックなイメージが先行している」(中﨑教育長)と分析する。
 夏休み充電宣言は、夏休み期間中も毎日のように出勤している勤務実態の転換を図る。休暇を取りやすくするための制度変更を検討しており、研修などを通じた「自分磨き」ができる環境を整える。今夏からの実施を予定している。
 マッチングシステムでは、教員免許所有者や学校業務のサポートに興味がある人材などを掘り起こす。スマートフォンで簡単に登録できるシステムを作り、登録者と学校双方のニーズにマッチする情報発信の仕組みを構築する。このほか、学校生活を動画投稿サイトで紹介するなど魅力発信にも取り組む。
 採用改革は、推薦特別採用枠の拡大のほか、選考試験を早めたり、複数回の実施を検討。来月には民間企業やPTA関係者ら有識者で組織する「教職の魅力化作戦会議」も開催し、働きがい改革を進めるための具体的な提言などをしてもらう。
 中﨑教育長は「教育現場には今、『働き方』とともに『働きがい』の環境整備が必要。生き生きとした活動ができるよう、一歩踏み出したい」と話している。

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