120キロの地から...上高根沢小校庭に飛来 風船がつないだ「150年」の縁

校庭で風船を手にする上高根沢小の児童たち(同校提供)

 6月8日に創立150周年を迎える栃木県高根沢町の上高根沢小の校庭にこのほど、川崎市生田小の児童が放した風船が舞い降りた。添えられたメモには「川崎市生田小学校創立150周年を記念して飛ばしたものです。拾われた方はお知らせくださればうれしく思います」との記載。一つの風船が取り持つ「同い年」の縁に、上高根沢小の阿久井克清(あくいかつきよ)校長は「運命的なものを感じます。これを機会に交流が進むといいですね」と期待している。

 生田小児童が風船を放したのは4月25日午前11時ごろ。11月の同校創立150周年に先立つ児童会の企画として、色とりどりのエコ風船約440個を放った。

 同日午後3時半ごろ、そのうちの一つ、ピンク色をした風船が上高根沢小校庭にあるのを児童が見つけた。直線距離で約120キロの長旅。阿久井校長は早速、生田小に「貴校の記念風船が舞い降り、発見した子どもたちは宝物を見つけたように大喜びで大興奮でした」とファクスを送った。

 知らせを受けた生田小の渡邊晴美(わたなべはるみ)校長は「日々の学習に『つながろう』というテーマがある。まさか風船でつながるとは」と回想。翌日のテレビ朝会で上高根沢小の様子を全校児童に紹介したところ、大きな反響があったという。

 阿久井校長は「(画面越しの)オンラインでのやりとりなど、機会があれば生田小と交流を続けたい」と話す。今後実施する上高根沢小の創立記念行事でバルーンリリースを実施する案も出ているといい、「風船でさらに、他校との輪も広がっていけばいい」と楽しみにしていた。

風船に付けられていたメモ(同校提供)

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