福井県坂井市三国町に6月3日リニューアルオープンする「坂井市龍翔博物館」(旧みくに龍翔館)の内部が1日、報道陣に公開された。旧三国町だけでなく、同市全域の歴史や文化の変遷が分かるように展示内容を一新。「遊び心ワクワク 知ってフムフム」をキャッチコピーに、階段や床など随所にだまし絵を取り入れるなど、知識だけでなく驚きと発見で心躍るミュージアムとなっている。
2024年春の北陸新幹線県内開業を見据え、同市が21年から大規模改修を進めていた。展示品は363点に上り、改修総事業費は約13億6460万円。
旧龍翔小をモデルにした高さ約33メートルの建物は、五層八角の構造はそのままに、美しい白亜の外観がよみがえり、最上部の「こうもり傘」型屋根も赤い銅板に張り替えた。
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2階フロアの「平野をうるおす大用水」をテーマにした展示は、十郷用水が鹿の導きで造られたという鳴鹿伝説にちなみ、白鹿の模型を設置。床に張り付けた坂井平野を見渡す直径約6メートルの航空写真で、地下パイプライン化された用水がどこを通っているかが分かり、水の恩恵を感じることができる。
三国港突堤などを設計したオランダ人技師エッセルの子でだまし絵を描いた画家エッシャーにちなみ、各階にだまし絵を採用した。4階フロア(121平方メートル)は地元出身のアートディレクター戸田正寿さんの監修で、天井や壁全体が青い空にさまざまな雲が浮かんでいるようなデザインの不思議な空間。福井市のアーティスト、DAISUKEさんが約10カ月かけて描いたという。1階にはカラフルで広いキッズスペースもある。
笠松雅弘館長は「本当にたくさんの個人、団体の協力をいただいたリニューアル。地域の魅力の総結集をぜひみていただきたい」と話している。
入館料は一般400円、高校生以下無料、年間パスポート1500円。毎週水曜休館(祝日の場合は翌日)。オープン初日の3日の一般入場は正午から。