長崎くんち 4年ぶり「小屋入り」 初の合同「打ち込み」も

4年ぶりの「小屋入り」で大役の無事達成を祈願した踊町関係者=長崎市、諏訪神社

 4年ぶりに開かれる諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭、長崎くんち(10月7~9日)の稽古始めに当たる「小屋入り」が1日、同神社や同市鍛冶屋町の八坂神社であり、六つの踊町関係者らが清祓(きよはらい)を受け、大役の無事達成を祈願した。
 小屋入りは江戸時代、各踊町が6月に小屋を建て、身を清めて稽古に専念したことに由来する行事。曇り空に時折、晴れ間がのぞく中、シャギリの音色とともに、紋付きはかまや華やかな着物などに身を包んだ踊町の役員や出演者が長坂を上った。
 新型コロナウイルス感染拡大などの影響で3年間中止となり、今年の踊町は10年ぶりの奉納。幹事町の本石灰町自治会の山口哲治顧問(73)は「しっかり稽古して、けがなく無事にできれば」と意気込んだ。
 午後からは、各踊町が関係先にあいさつ回りをする「打ち込み」があり、威勢のいいかけ声や太鼓の音が街中に響き渡った。打ち込みを受ける年番町や長崎伝統芸能振興会は雨が降り込まない浜町のハマクロス411前に集まった。1カ所に集まるのは初めて。今までは雨で中止することもあったというが、同振興会踊町委員長の山下寛一さん(69)は「市民にも告知でき良いアイデア」と語った。

  今年の踊町と演(だ)し物は次の通り。
 ▽桶屋町「本踊(ほんおどり)」▽栄町「阿蘭陀万歳(おらんだまんざい)」▽万屋町「鯨の潮吹き」▽本石灰町「御朱印船」▽船大工町「川船」▽丸山町「本踊」

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