グラウンドの砂粒って何個? 体育の準備体操で手が痛い…気になって調べたら驚きの結果に 相生高の7人

約6兆4600億個の砂粒があるとされるグラウンドの前に立つ(左から)川中大雅さん、陸井陽登さん、宮下裕生さん=相生高校

 学校のグラウンドに砂粒は全部で何個あるのか? そんな疑問を解消しようと、相生高校(兵庫県相生市山手1)の3年生7人が1年がかりで調査に当たった。同校のグラウンドの広さは縦103メートル、横136メートル。果たしてその結果はー。(地道優樹)

 発案したのは陸井陽登(くがいはると)さん(17)。きっかけは体育の授業中、準備体操で腹筋や腕立て伏せをするたび、グラウンドの砂で手や背中が「気になるぐらい痛かった」こと。「砂粒が小さい場所でやれたら痛みを減らせるのでは」と考える中で、数や大きさの分布に興味を持った。

 調査は2年生だった昨年4月~今年2月、週1回の探究学習の一環で実施。「小学生の時に同じ疑問が頭をよぎった」という宮下裕生さん(17)ら同学年の6人が集まった。ネットで調べても同じような調査をした事例は見つからず、やり方を10月まで話し合った。

 グラウンドを掘ったところ、砂の部分は深さ10センチと判断した。陸井さんたちはまず、グラウンドの東西南北と中央の計5カ所で、450立方センチずつ砂を採集。電子てんびんでそれぞれから3.12グラムを量り取り、細い針やシャーペンで弾きながら粒が何個あるかを数えた。

 数える砂粒は0.25~4ミリまでとし、この範囲で大きさを4段階に分けた。3.12グラムだけでもそれぞれ100~600個の粒があり、分担しても1カ所につき4時間はかかったという。川中大雅さん(17)は「とにかく無心で数え、何でこんなことをしているのか考えないようにした」と振り返る。

 そこから450立方センチ当たりに含まれる粒の数を計算。5カ所の平均を求めた上で310万7556倍し、体育倉庫分を差し引いたグラウンド全体の体積分を求めた。

 最終的に導き出された砂粒の総数は約6兆4600億個だった。苦労の成果に「単位が大きすぎてピンとこなかった」と川中さん。発案者の陸井さんは「億ぐらいかなと思っていた」と驚く。7人は今年3月に成果を在校生ら約100人の前で発表したが、「みんなポカンとしていた」という。

 調査の結果、グラウンドの北部と中央部の砂粒は比較的小さいことも判明。ただ大きな差はなく、地面に手や膝をついた時の痛みはあまり変わらないと分かったという。陸井さんは「先生に無理を言って、準備体操の場所を変えてもらうぐらいなら、我慢した方がいい」と話していた。

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