妊娠隠して来日・出産 赤ちゃんの遺体遺棄事件 ベトナム人技能実習生の女(19)を逆送「日本語能力低く 更生援助は困難」広島家裁

広島・東広島市の空き地に赤ちゃんの遺体を遺棄したとして、ベトナム人技能実習生の女(19)が逮捕された事件で、広島家庭裁判所は1日、女を検察官送致(逆送)しました。

この事件は4月、東広島市安芸津町の空き地で生まれて間もない男の子の赤ちゃんの遺体が放置されているのが見つかり、近くに住むベトナム人技能実習生の女(19)が逮捕されたものです。

女は、広島家裁に送致されていましたが、家裁は1日付けで事件を検察官に送り返す、いわゆる「逆送」をしました。

決定によると、女は去年10月、妊娠の可能性を認識していたものの、来日のために父親が背負った借金が残ることを恐れ、妊娠を隠したまま技能実習生として来日。

1月20日ごろ、実習先の寮で男児を出産し、間もなく死亡したため自分のベッドに遺体を隠したまま生活。その後、出産と男児死亡の事実が周りに知られ、帰国させられるかもしれないと考え、2月1日ごろ、東広島市安芸津町の空き地に穴を掘って遺体を埋めて遺棄したとしています。

逆送の理由について家裁は、「異国の地で出産し、誰にも助けを求められないまま、悩みを抱え込んだ」として「同情の余地が相応にある」とした一方、「我が子の死体を敬うという意識を欠き、地域社会の平穏に与えた影響も見過ごせない」と指摘。

そのうえで、「日本語でのコミュニケーション能力が著しく低いため、保護処分による更生援助は困難で、実効性は乏しい」などとして、刑事処分が相当としました。

© 株式会社中国放送