食感もちもち米粉の乾燥麺 韓国風パスタで試食会、評判上々 福崎の障害者施設が自然栽培、新商品に

試食会には地域の人もたくさん訪れた=姫路市山田町牧野

 兵庫県姫路市山田町牧野の農園で米や野菜の栽培に取り組む障害者就労施設「リトリートフィールド」(福崎町福崎新)が、農薬や肥料を使用しない自然栽培で育てた米を使った乾燥麺を開発した。もちもちとした食感が特長で、グルテンフリーの麺は小麦アレルギーの人でも食べられる。スタッフらは「健康的で、おいしさも抜群」と出来栄えに自信をのぞかせている。(森下陽介)

 同施設はNPO法人「姫路こころの事業団」が運営。施設の利用者やスタッフ計7人を中心に、約1万4千平方メートルでタマネギやニンジン、ジャガイモなどを育てている。

 野菜や米は4年前から作り、販売していたが、大阪の農家に商品化のノウハウについて話を聞く中で、米を麺に加工し、付加価値のある商品開発を目指すことになった。

 製粉会社に加工を委託し、乾燥麺が完成。2分ほどでゆで上がり、調理に時間がかからず手軽に食べられる。こしのあるうどんのような食感で、食べ応えがあるという。

 5月24日には同施設で、法人スタッフや近隣住民ら約40人を招き、米粉で作った乾燥麺の試食会を開いた。韓国風パスタに調理し、利用者らが育てたスナップエンドウも添えて提供。「新しい食感で、小麦のパスタより好み」「少量でも腹持ちがよくてダイエットにいいかも」などと参加者は口々に感想を言い合っていた。

 農園の近くには今春、休憩スペースを備えたおしゃれな農業倉庫も完成した。野菜を洗えるように広いキッチンを備えた建物は、ウッドデッキやロフトもあり、天井は高く開放感がある。

 同施設で農業部門の責任者を務める奥村一平さん(41)は「農業には大変な印象があるが、新しい試みに挑戦することで、利用者にも面白がってもらいたい」と期待している。

 米粉で作った乾燥麺は同施設のホームページなどで近く販売予定。1食290円。リトリートフィールドTEL0790.20.5320

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