佐野の市有施設32カ所に「涼み処」 熱中症予防へ水など用意

6月1日から設置される「涼み処」のポスター

 【佐野】熱中症予防対策の一環として、市は6月1日から「涼み処(どころ)」を市役所など市有施設32カ所に設置する。外出時に暑さで体調不良を感じた場合、市民に限らず、誰でも利用でき、一時的な休憩や容体に応じて救急車も要請できる。期間は10月31日までで、準備が整った施設から順次開設していく。

 昨年7月、本県の観測史上最高気温39.9度を記録するなど、近年は県内きっての「暑いまち」として知られる同市。今月18日には猛暑日に迫る34.9度が観測されている。市消防本部によると、今月既に3件の熱中症疑いの救急搬送があったという。今季も猛暑が懸念されている。

 「涼み処」は近年の生命にも関わりかねない猛烈な暑さ対策の一つとして、市が開設を決めた。設置する期間はアラート実施期間に対応している。

 設置要件として(1)おおむね28度以下で常時冷房している場所がある(2)職員が常駐し利用者の求めに応じ、救急車を呼ぶなどの対応がとれる(3)5人程度収容が可能で「3密」にならず、いすなどで休憩できる場所が確保できる(4)熱中症予防のための飲食が可能-などを設定している。

 備蓄品としては飲料水(水、イオン飲料)、タオル、うちわ、冷却シート、瞬間冷却剤を予定し、利用者の状況に応じて使用できるようにする。設置場所には指定の熱中症予防対策避難所のポスターを掲示する。

 6月1日にまずは市庁舎(高砂町)の1階に開設。その後、教育センター(上羽田町)や上下水道庁舎(大橋町)、各地区の公民館などに拡大していく予定で、6月中の設置完了を目指している。受け入れは各施設の開館時間に応じる。

 市は「猛暑から市民をはじめ人々の健康を守るため、しっかりと対応していきたい」などとしている。

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