国産米のビーフン、ケンミン食品が商品化へ 丹波篠山に新施設 ラーメン、パスタ…グルテンフリー製品拡充も

内部に国産米商品の開発施設を新設するケンミン食品篠山工場(同社提供)

 ビーフン製造最大手のケンミン食品(神戸市中央区)は、兵庫県丹波篠山市の篠山工場内に国産米を原料とする麺の研究や製造を担う施設を新設し、12月中に稼働させる。これまではインディカ米を原料としてビーフンなどを製造していた。年明けにも直営レストラン「健民ダイニング」(同)で新しい麺を提供予定で、国産米の消費拡大や生産の国内シフトにつなげる。

 同社は、粘り気が少なく麺を作るのに適したインディカ米が入手しやすいタイで、1989年から主力のビーフンなどを製造してきた。一方、篠山工場は、調理済みビーフンなどの冷凍食品づくりを担っている。

 新施設は延べ床面積9600平方メートルの同工場内の一角に設置し、研究、製造用の装置を置く。投資額は約4千万円。うち約7百万円を農林水産省からの補助で賄う。国産米の中でもでんぷん成分「アミロース」の含有量が多く、粘り気が比較的少ない米を使い、ビーフンや、ラーメン、パスタ向けの麺などで商品化を目指す。既に商品化しているグルテンフリー製品の拡充も図る。

 同社は「国産米商品づくりへの第一歩。日本の重要な産業、文化である稲作にも貢献したい」としている。(大盛周平)

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