神戸ゆかり「孤高の風景画家」の技法に触れて 日本近代洋画の巨匠・金山平三、県立美術館で特別展

金山平三「祭り」(1915~34年ごろ、個人蔵)の展示風景=神戸市中央区脇浜海岸通1

 兵庫県立美術館の特別展「出会いと、旅と、人生と。ある画家の肖像 日本近代洋画の巨匠 金山平三と同時代の画家たち」(神戸新聞社など主催)が3日、神戸市中央区の同館で開幕する。2日に内覧会があり、関連作家の絵画を含む約140点が披露された。

 金山平三(1883~1964年)は神戸・元町で生まれ、今年で生誕140周年。東京美術学校(現東京芸術大)を首席で卒業し、日展の前身である文展や帝展にも出品、活躍した。

 後半生に中央画壇を離れ、「孤高の風景画家」のイメージが強い金山だが、社交的な側面もあった。先輩や仲間の画家との交友、約9年をかけた壁画制作の軌跡、優れた観察力の芝居絵、人物画などから多彩な魅力に光を当てる。

 新出の絵画「祭り」(個人蔵)は、踊る人々を横長の画面に配し、卓越した構成力が特徴。花や果物をみずみずしく描いた静物画も魅力的だ。理想の風景を求めた鉄道旅行のルート図を新たに作成、金山が実際に描いた絵と共に展示し、創作への情熱を伝える。同館の林洋子館長は「金山はいろんな技法を使っているので『現物を見る喜び』を味わってほしい」と話す。

 7月23日まで。午前10時~午後6時。月曜休館(同17日は開館、翌日休館)。一般1600円、高校生以下無料など。同11~17日は「ひょうごプレミアム芸術デー」で無料。同館TEL078.262.1011 (小林伸哉)

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