「前衛」写真の精神伝え 富山県美術館で3日開幕

作品に見入る開会式の出席者=富山市の富山県美術館

 富山新聞創刊100年記念「『前衛』写真の精神:なんでもないものの変容」(富山県美術館、富山新聞社、北國新聞社、チューリップテレビ主催)は3日、富山市の同館で開幕する。2日は関係者による開会式が行われた。1930年代の「前衛写真」から80年代まで、昭和の写真史を伝える作品や資料が並び、出席者約50人が見入った。

 富山市出身の詩人・美術評論家瀧口修造、瀧口に共鳴した作家阿部展也、2人の影響を受けた写真家の大辻清司と牛腸(ごちょう)茂雄の4人の作品を中心に、前後期合わせて約650点を展示する。4人の交流と創作をたどり、瀧口の思想を受け、脈々と引き継がれた「前衛写真」の精神と魅力を紹介する。

 開会式では横田美香副知事が新田八朗知事のあいさつを代読し「芸術はウェルビーイングを高める。来場の皆様にこの展覧会を楽しんでほしい」と述べた。

 前期は3~27日、後期は29日~7月17日で、大幅に展示替えする。観覧料は一般900円、大学生450円、高校生以下無料。6月10日に牛腸のドキュメンタリー映画上映、7月1日に講演「大辻清司の実験室」、同9日に写真家高島史於さんのトークが行われる。

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