最愛のペット、特製ひつぎでお別れを 純白の布団、花々で飾り…宝塚の生花店が考案

愛猫や愛犬への感謝を込め、花で彩って安置する小さいサイズのひつぎ=宝塚市梅野町、「はなみずき」

 亡くなった愛猫や愛犬を火葬するまで自宅に安置する特製ひつぎを、兵庫県宝塚市梅野町の生花店「はなみずき」店主松島由依さん(51)が考案した。純白の布団に寝かせ、ペットのイメージに合わせた花々を飾り付けると、華やかな雰囲気に。松島さんは「感謝の思いを込めて、最愛の家族を弔ってほしい」と願いを込める。(西尾和高)

 ペット専用のひつぎは、インターネットや動物霊園の火葬場などでも販売されている。ただ、病気で死期が近づいても、事前にひつぎを準備する飼い主は少ないのが実情という。亡くなった後にすぐ手に入れるのは困難で、段ボール箱をそのまま代用する人もいるという。

 「ペットを安置するのに適した入れ物はないか」。2年前、愛犬を供養するための花を買いに訪れた客から相談を受けたのが、オリジナルのひつぎを考えるきっかけだった。「猫や犬は大切な家族の一員。愛情を込めたひつぎが必要」。生花店を営んでいることから、「多くの花々で彩りを添えたい」と試行錯誤を繰り返して昨夏から販売を始めた。

 特製ひつぎは白色の段ボール製で、「大」(縦26センチ、横70センチ、高さ45センチ)と「小」(縦24.5センチ、横55センチ、高さ35センチ)の2種類。大は中型犬まで安置できる。段ボールの表面はつややかに加工して上質感を強調。火葬してもひつぎが焼けたすすなどが付着せず、骨はきれいに残るという。枕と布団はポリエステル製で、ペットを優しく包み込めるように仕上げた。

 ひつぎと花、枕、布団の4点をセットで販売しており、大は税込み価格3万3千円から、小は2万2千円から。それぞれ単品でも購入できる。松島さんは「大切に世話してきた犬や猫と最期まで一緒に過ごし、お見送りできるよう工夫した。ペットを失った飼い主の心を癒やすことにもつながる」と話している。

 はなみずきTEL0797.75.2377(木、日曜、祝日休み)

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