野菜をキャラクター化した作風のイラストレーター・のだぎりさん(37)=福岡県筑後市=の個展が3、4の両日、吉野ヶ里町の温泉施設「山茶花(さざんか)の湯」の古民家「小川内庵」で開かれる。優しい表情でどこかユーモラスな野菜たちが癒やしを与える。
鍬(くわ)を担いだ大根、スケートボードに乗るカリフラワー…。色鉛筆で丁寧に塗られた作品は、どれも優しさにあふれている。小品のほか、山茶花の湯の露天風呂の景色を描いた作品など30点余りが並ぶ。
のだぎりさんは5年ほど前、仕事で体調を崩し、入院生活を経て左耳が難聴になった。退院後は通院のついでに山茶花の湯に通い、祖母の家庭菜園を手伝いながら快方へ向かった。かつて路上でイラストを描き、別名義で作品集を出した経験もあり、昨春ごろから再び描き始めたという。
「体調を崩し、食べられることは当たり前じゃないと知った。食べ物や、それを作る人への感謝が作品を描く原動力。見る人の癒やしになれば」と話す。
午前10時~午後8時(4日は午後7時まで)。一部は温泉施設内にも飾る。問い合わせは山茶花の湯、電話0952(53)2169。(志垣直哉)