「演奏はマナー守って」ケース付きのストリートピアノ登場 違反相次ぎ半年で撤去の市も 兵庫・JR土山駅前

播磨町がJR土山駅前に設置したストリートピアノ=播磨町北野添2

 兵庫県播磨町は3日、JR土山駅前に同町初となるストリートピアノを設置し、オープニングイベントを開いた。加古川市は4月末、加古川駅構内のストリートピアノについて、利用時間を守らないなどマナー違反があったとして撤去し、物議を醸した。同町のピアノは利用時間外はケースの中に収納でき、施錠して管理するという。

 ストリートピアノが置かれたのは土山駅前の商業施設「BiVi(ビビ)土山」。音楽を通じて町のにぎわいや住民交流の場として活用しようと、同町が4月、町内で使われなくなったピアノを募集。町民から提供の申し出があり実現した。

 企画に賛同した地元企業が、ピアノを収納するケース、ピアノのステージ、雨を防ぐ屋根を無償で提供した。収納ケースは木目調で、正面に大中遺跡公園(同町大中1)の写真がプリントされている。同町によると「ケースの提供は加古川駅でのピアノ撤去問題に関係なく、偶然」だという。

 利用時間は午前9時半~午後6時半。設置場所はオープンスペースだが、時間外は鍵をかけてケース内に保管される。1回の演奏は10分程度まで。他の楽器との演奏や弾き語りなどはできない。

 オープニングイベントには多くの住民が集まり、佐伯謙作町長が記念の演奏を披露。集まった人たちから拍手が送られた。佐伯町長は「利用マナーを守って、ここから音楽の文化が町全体に広まってほしい」と話した。(宮崎真彦)

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