鳥栖が長沼2発で指揮官不在の横浜FCを撃破!リーグ戦5試合無敗に【明治安田J1第16節】

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3日、明治安田生命J1リーグ第16節の横浜FCvsサガン鳥栖がニッパツ三ツ沢球技場で行われ、アウェイの鳥栖が2-1で勝利した。

16位・横浜FCは四方田監督が新型コロナウイルスの陽性で不在。ヘッドコーチ(HC)のジョン・ハッチンソン氏が代行指揮を執る今節はチームの最多スコアラーである小川航基も不在で、最前線には今季リーグ戦初先発のマルセロ・ヒアンが入った。

対する12位・鳥栖はリーグ戦の直近4試合で2勝2分けと無敗。ここのところ安定した戦いが続いているなか、得点数は15試合で16ゴールに留まっており、川井監督は試合前、さらなる浮上のポイントを「得点力向上」と語った。

ハッチンソンHCが「ヨモさん(四方田監督)のために戦う」と意気込んだ横浜FCは勢いよく試合に入る。2分にはカプリーニがボックス手前から左足を振り抜いてCKを獲得。2列目のカプリーニ、坂本は守備でも前線から積極的なプレスをかけていく。

15分に大きなチャンス。左ウイングバックの武田が後方からのロングパスに抜け出すと、マイナスの低いクロスに合わせたのはカプリーニ。シュートは鳥栖のGK朴一圭にキャッチされ、副審の旗も上がったが、サイドを使った素早い展開でフィニッシュまで持ち込んだ。

25分には相手のミスを突いたシュートシーン。鳥栖のGK朴一圭がゴールマウスを空けた状態でキックミスし、ボールを拾った武田からパスを受けた三田が右足でロングシュートを放つ。枠へ飛ばせていれば確実に1点という状況だったが、利き足ではない右足で放ったシュートはクロスバーの上へ外れた。

何度か惜しいシーンを作る横浜FCだが、リーグで2番目に少ない12ゴールのチームは鳥栖の守備陣を崩すような場面はなかなか訪れない。鋭い守備から速攻というスタイルはJ1の舞台でも定着しつつあるが、カウンター一辺倒ではゴールも遠い。

一方、ここまで決定機のない鳥栖もGK朴一圭が前述のミスにめげず、自陣高い位置でビルドアップに参加し、最後尾から打開を目論む。

鳥栖の最初の決定機は45+2分。右サイドからのクロスをゴール前でトラップした長沼が鋭い反転から左足を振り抜く。決まっていればスーパーゴールだったが、わずかにクロスバーの上へ外れた。結局、鳥栖は前半を0-0で終えるも、待望の先制点をもたらしたのは長沼だった。

55分、鳥栖は横浜FC陣内に深く押し込み、二次攻撃、三次攻撃を展開。すると、古巣対戦となった手塚がボックス手前左から上げた浮き球に対し、ゴール前の長沼がヘディングで合わせ、緩やかな軌道を描いたシュートがネットに吸い込まれた。

先手を取られた横浜FCはすぐさま反撃に転じる。66分、カプリーニのスルーパスに抜け出した山下がボックス内で後ろから倒されるも、PKを告げるホイッスルはなく、判定はVARでも覆らない。攻めあぐねる時間が続いたなか、追加点を与えてしまう。

73分、鳥栖は堀米がドリブルで敵陣中央を切り裂き、ボックス内まで侵入したところで左側を並走してきた河田へ預ける。河田がダイレクトで中央へ折り返すと、先制点の長沼が無人のゴールへ落ち着いて流し込んだ。

ビハインドを広げてしまった横浜FCもすぐさま1点を返す。78分、山下が敵陣深い位置で猛烈なプレスをかけて相手のミスを誘うと、途中出場の小川慶治朗が上げた低めのクロスに合わせたのはマルセロ・ヒアン。右から来たボールに対し、ニアサイドで右足で合わせるという難易度の高いシュートをゴール左隅へ流し込んだ。加入2年目のマルセロ・ヒアンはJ1初ゴールとなった。

この勢いのまま同点としたい横浜FC。終盤はマルセロ・ヒアンと山下が2トップ気味のポジションを取り、猛攻を仕掛ける。しかし、反撃は1点に留まり、1-2で敗戦。指揮官不在の一戦で手痛い黒星を喫し、リーグ戦2連敗となった。

勝利した鳥栖はこれで5試合無敗に。試合前に指揮官が得点力について言及していたなか、第14節のアルビレックス新潟戦、前節の鹿島アントラーズ戦に続く3試合連続の2ゴールを挙げ、敵地で貴重な勝ち点「3」を積み上げた。

横浜FC 1-2 サガン鳥栖

【横浜FC】

マルセロ・ヒアン(後33)

【鳥栖】

長沼洋一(後10、28)

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