美の競演、情熱に触れ 富山・県民会館で県展開幕

日本画を鑑賞する来場者=富山市の県民会館

  ●6部門742点

 県内最大級の公募展である第78回県展(富山新聞社などでつくる実行員回主催)は3日、富山市の県民会館で開幕した。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門の入賞、入選作と会員出品を合わせた742点が並び、来場者は作家の創作にかける情熱に触れ、美の競演を堪能した。

 開会式で新田八朗知事は、コロナ禍による行動制限がなく開催できたことを喜び「ゆったりとした時間を過ごし、明日への生きる力を育んでほしい」とあいさつした。新田知事、審査員代表の西田俊英氏(日本芸術院会員)、伊東眞県芸術文化協会長、阿波加蒼岳県展実行委員長がテープカットした。

 県外審査員が部門ごとに作品を解説した。日本画は西田氏が担当し、県展大賞を受けた佐野正人さん(小矢部市)の「名もなき池」について「水面に浮かぶスイレンの花や葉を描くだけでなく、作品全体から空気や気配のようなものが感じられる表現」と評した。

 大賞に選ばれた野尻孝さん(射水市)の工芸、荒谷明美さん(同)の書、寺脇圭子さん(富山市)の洋画、土屋裕さん(南砺市)の彫刻、京塚喜雄さん(上市町)の写真も注目を集めた。

 写真が趣味の小坂幸博さん(72)=魚津市=は「どの作品も素晴らしく、洋画や日本画から視点や構図を学ぶことができる」と話した。

 4日午後1時から作品解説、6日午後1時半から表彰式が行われる。展示は9日まで。

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