カルガモか マガモか アヒルか… 親子の鳥 果たして正体は? 広島・福山市で「カルガモ」を撮影…?

RCCに送られてきた親子の鳥の映像…。広島・福山市で撮影されたものですが、とってもかわいいんです。さて、はたして、この正体は…? ということで、福山放送局の 斉藤亘 カメラマンが、ことしも現場に急行しました。

RCCに視聴者からある映像が送られてきました。映像に添えられていたコメントには「近くで見かけたカルガモの親子」とあります。さっそく撮影された場所に行ってみました。

斉藤亘 カメラマン
「福山市駅家町に来ました。このあたりにいると思うんですが、あっ、いました」

田植えが終わった田んぼで親鳥を先頭に多くのヒナが行列を作って泳いでいました。

斉藤亘 カメラマン
「8匹、子どもは8匹のようです。田んぼをゆうゆうと泳いでいます。全員集合しました」

親鳥は、あたりを見まわし、警戒しながら子どもたちを連れて移動していきます。隣りの田んぼへは高い段差がありますが、親鳥は気にせず、進みます。

斉藤亘 カメラマン
「隣りの田んぼに移動です。親に続きます。上手にジャンプできました」

微笑ましい映像が撮影できました。この田んぼの隣りに住んでいる、こちらの家族は、毎日の観察を楽しんでいるそうです。

毎日、観察している家族
「なかなか珍しいので、かわいいですね」
「癒されますね。毎日、見て、かわいいから。赤ちゃんがついて歩きよるもんね。かわいい」

撮影を続けていると、RCCに映像を提供してくれた人がやって来てくれました。

映像を提供した 亀井孝信 さん
― 映像提供、ありがとうございます。
「けっこう、きれいに撮れたと思うて」

― どのあたりで発見されたんですか?
「最初、ここを泳いでいて、向こうに親子で行ったんですよ」

近所に住む亀井さんは、犬の散歩中に親子の鳥を見かけ、すぐさまスマホで撮影したそうです。

亀井孝信 さん
「つい先日、そういうカルガモの番組を見てたので、ちょっとかわいいなと思って」

実はカメラマンのわたしは、鳥の撮影には苦い思い出があります。

去年の話ですが、同じく福山市内で「カルガモの親子がかわいい」との情報を得て、仲むつまじい親子の鳥を撮影。専門家にその映像を見てもらうと…

広島市安佐動物公園 課長補佐 畑瀬淳 さん
「アヒルの一種だと思ってもらったらいいかと思います」

その鳥は、「カルガモ」や「マガモ」ではなく、なんと正体は「アヒル」…。人間が作った飼育するための鳥アイガモが逃げ出し、野生のカモと交雑して生まれたと思われる鳥で、分類上はアヒルとしか呼べないということでした。

広島市安佐動物公園 畑瀬淳 さん
「人の管理下にない家畜というのは本来、あるべきではない。あってはいけないものなんです。彼らがそこにいることによって、どんなことが起きるのかなっていうことを、この映像を見られている方それぞれが考えていただけるといいことなのかなと思います」

「そのような鳥が多く存在する」―。自然の現実を知らされた過去があったので、今回、撮影した鳥もアヒルではないかと疑ってしまったのです。

今回も専門家に、撮影した鳥の種類を聞きに行きました。福山市立動物園で鳥の飼育を担当している 久保岡達也 さんです。

福山市立動物園 水鳥担当飼育員 久保岡達也 さん
― この鳥はどういった鳥ですか? 教えてください。
「こちらはカルガモというカモになりますね」

― カルガモなんですね。どのあたりがカルガモなんですか?
「一番大きな特徴は、クチバシの先が黄色になっているんですよね。これを見ていただければ、すぐカルガモだと判別がつくと思います」

今回、撮影したのは、いくつかの理由でカルガモだろうということでした。久保岡さんは、野生の鳥を観察するのには守らないといけないことがあると話します。

福山市立動物園 久保岡達也 さん
「近くで見ようと思って近づいたりしないように。あとね、エサなどあげますと、人間に依存してしまいますので、しないように。遠くからやさしく見守ってあげるとよいと思います」

今回、撮影できたのは、カルガモでした。そして、同じような環境に、人間が作りだしてしまったアヒルもいます。カルガモもアヒルも同じ命…。自然の生態系を壊さないようにするにはどうすればいいのか…。あらためて答えのない問題を考えさせられた取材となりました。

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