ユネスコ無形文化遺産「壬生の花田植」 4年ぶりの通常開催 北広島町

コロナ禍から、少しずつ日常が戻っています。広島・北広島町では、ユネスコの無形文化遺産に登録されている「壬生の花田植」が、4年ぶりに制限なく通常開催されました。

「壬生の花田植」は、田んぼの神を迎え、稲の生育と豊作を祈る伝統行事です。4日、花田植をする前に、近くの神社から花田植会場までの道のりとなる商店街を飾り立てた牛が練り歩き、田楽団は演技をしながら進んでいきます。

コロナ禍で中止や規模を縮小しての開催が続きましたが、ことしは4年ぶりに通常開催となりました。

近藤志保 記者
「花田植え会場です。4年ぶりの有観客ということもあって、多くの人が見届ける中、花田植がスタートしました」

花田植は、12頭の飾り牛が “しろかき” した後、2つの田楽団によって苗が植えられます。

早乙女たちは、太鼓や鐘のリズム合わせて歌を歌いながら田植えを進めていきます。田植えを指揮する「サンバイ」の音頭によって、ことしはおよそ20曲の田植え歌が披露されました。

田楽団は、馬の毛のついた太鼓のバチを回したり、宙に投げ上げたりして、田植えを華やかに盛り上げました。

早乙女役の人たち
「去年、無観客でさみしかったので、多くの方に見ていただけたのはうれしかったです」
「1年に1回なので(田んぼに)入ったときは初心にかえるんです。だんだん植えていきながら思い出してあっという間に終わってしまうんですけど、楽しかったです」

見物した人たち
「この年になるまで、話は聞いていましたけど、見るのは初めてで、こんなに大々的なのかと」
「初めて来ました。すばらしいですね。感動しました。本当にいいものを見させていただいた」

壬生の花田植保存会 藤本隆幸 理事長
「きょうの発表公開を見たら、みんな、4年のブランクを感じさせないくらい、飾り牛も最後まで田楽団も植え切ってくれましたので安心しました」

壬生の花田植は、国の重要無形民俗文化財で、2011年にはユネスコの無形文化遺産に登録されています。ことしはおよそ6000人の見物客でにぎわったということです。

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