今夏を最後にヴィッセル神戸を離れることになったアンドレス・イニエスタ。バルセロナを退団してから日本へとやってきて5年間、Jリーグで存在感を見せてきた。
それにあわせ、今回はアンドレス・イニエスタがバルセロナでリーガデビューを果たした2002年12月のマジョルカ戦でプレーしていたスタメン11名を特集してみよう。ちなみに公式戦デビューはその2ヶ月前のCLクルブ・ブルッヘ戦である。
ちなみに相手のマジョルカにはサミュエル・エトーがおり、しかもレッドカードで退場していたりする。
GK:ロベルト・ボナーノ
バルセロナ所属:2001~2004
国籍:アルゼンチン
現在:チリ代表ゴールキーパーコーチ
ジャンルイージ・ブッフォンの獲得に失敗したバルセロナが、その代わりに獲得したアルゼンチン人ゴールキーパー。リーベル・プレートから410万ユーロで加入している。
南米では非常に実績を残した選手であったが、バルセロナで求められるプレーには全くフィットすることができず、大きなミスを連発してしまった。結局高い評価を得られないまま2004年にレアル・ムルシアへと放出されている。
引退後はゴールキーパーコーチとなり、エドゥアルド・ベリッソ監督の下で子飼いスタッフとして働いている。
CB:ガブリ
バルセロナ所属:~2006
国籍:スペイン
現在:指導者(前サバデル監督)
バルセロナの下部組織で育った守備的MF。中盤であれば比較的どこでもこなした万能系選手で、右サイドバックやセンターバックでもプレーするなど多才だったが、その一方で怪我も多かったという不運な部分も。
バルセロナのトップチームでは2006年まで貴重なサブとして多くのタイトルに貢献したが、契約満了で退団。アヤックスで2010年までプレーした後にカタール、スイスを経て引退している。
35歳で引退した後はバルセロナのリザーブやユースでコーチを務め、シオンやFCアンドラ、UEオロト、サバデルで指揮をとった。昨年末にサバデルを解雇されてからはフリーである。
CB:フィリップ・クリスタンヴァル
バルセロナ所属:2001~2003
国籍:フランス
現在:引退
バルセロナの歴史上でも屈指のダメ補強として話題に上がるフランス人DFフィリップ・クリスタンバル。グアドループにルーツを持つ大型センターバックだった。モナコから1700万ユーロという当時はかなり高額の移籍金で加入している。
とんでもないフィジカル能力と不安定さを備え、さらに怪我がちだったためなかなか活躍できず。わずか2年でマルセイユへと放出され、結局29歳という若さで現役を引退することになった。
CB:フランク・デ・ブール
バルセロナ所属:1999~2003
国籍:オランダ
現在:監督(前オランダ代表)
1999年に双子のロナルト・デ・ブールとともにバルセロナへやってきたオランダ人スイーパー。後方からゲームを組み立て攻撃にも絡んでいくという現代的な選手として知られた。
加入から1年後にナンドロロンの摂取が発覚して出場停止処分を受けたこともあるが、バルセロナでは4年半でリーガ144試合に出場。チームの低迷期とかち合ってしまったために高い評価は得られなかったが、一定の貢献を見せた。
DMF:フィリップ・コクー
バルセロナ所属:1998~2004
国籍:オランダ
現在:フィテッセ監督
センターフォワードからセンターバックまであらゆるポジションを高レベルでこなした往年のスーパーユーティリティプレーヤー。1998年にPSVアイントホーフェンから加入し、2004年まで所属していた。
不安定なシーズンが続いたバルセロナの中でも彼は常に安定したプレーを見せており、唯一と言って良いほど批判を受けなかった選手だった。引退後は指導者になり、オランダ代表のアシスタントコーチとPSVのユースコーチを歴任。2013年に監督として独り立ちし、PSVアイントホーフェン、フェネルバフチェ、ダービー・カウンティ、そしてフィテッセを指揮している。
DMF:チャビ・エルナンデス
バルセロナ所属:~2015
国籍:スペイン
現在:バルセロナ監督
アンドレス・イニエスタとともにバルセロナの歴史を作り上げることになる「ティキタカ」の具現者。1999-2000シーズンにレギュラーを奪取し、ジョゼップ・グアルディオラに代わってファン・ハール監督のファーストチョイスになった。
ご存知の通り2015年までバルセロナでプレーした後にカタールへと渡り、そこで指導者に転身。現在はバルセロナの監督として指揮をとっている。
右WB:ガイスカ・メンディエタ
バルセロナ所属:2002~2003
国籍:スペイン
現在:パフォスFCディレクター
バレンシア時代には世界トップクラスの右ウイングとして評価されたメンディエタ。2001年に4800万ユーロという当時異例なほどの額でラツィオに移籍したが、セリエAではさっぱり活躍できなかった。そして1年後にバルセロナへ貸し出されたが、ここでもあまりパッとしなかった。
ラツィオに返却されてからはミドルズブラへと移籍して2008年に現役引退。それからはDJとして音楽活動をしながら指導者を行い、昨年からはキプロスのパフォスFCでディレクターを務めている。
左WB:チアゴ・モッタ
バルセロナ所属:1999~2007
国籍:イタリア
現在:ボローニャ監督
ブラジル生まれであるが後にイタリアへと帰化して代表入りするチアゴ・モッタ。1999年にジュヴェントゥスからバルセロナに加入し、この頃はボランチやサイドなどいろいろなところをこなしたが、ラフなプレーも多く怪我に悩まされた。
2008年にジェノアに移籍してから再ブレイクし、2018年にパリ・サンジェルマンで現役引退するまで長く活躍。その後は指導者に転身し、現在はボローニャで監督を務めている。
AMF:アンドレス・イニエスタ
バルセロナ所属:1996~2018
国籍:スペイン
現在:ヴィッセル神戸所属
今夏を最後にヴィッセル神戸を去ることを発表したアンドレス・イニエスタ。盟友でもあるチャビ・エルナンデスが率いるバルセロナとの親善試合は彼にとって特別なものになるはずだ。
1996年にアルバセテからバルセロナの下部組織へと加入し、10月のクルブ・ブルッヘ戦で初出場し、この2002年12月21日のマジョルカ戦でリーガでのスタメンデビュー。59分にジェラール・ロペスと交代している。
FW:マルク・オフェルマルス
バルセロナ所属:2000~2004
国籍:オランダ
現在:アントワープ スポーツディレクター
現在三好康児が所属しているアントワープでディレクターを務めているマルク・オフェルマルス氏。アーセナルでプレーした後2000年に2930万ユーロでバルセロナへと加入した。
ゴールを奪えるドリブラーとして高く評価されたが怪我があまりにも多く、2004年に現役を引退。その後ゴー・アヘッド・イーグルスとエペで短期間選手に復帰し、その後改めてスパイクを脱いでいる。
FW:パトリック・クライファート
バルセロナ所属:1998~2004
国籍:オランダ
現在:指導者(前キュラソー代表暫定監督)
この時期のバルセロナでエースストライカーといえばもちろんパトリック・クライファート。アヤックスで10代にしてチャンピオンズリーグ優勝を果たした天才は、1998年に加入してからゴールを量産する活躍を見せた。
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チームの低迷期に当たったこと、彼自身がやや不安定だったことから批判も多かったが、間違いなく結果は残した選手である。バルセロナ退団後はニューカッスルやリールでプレーして引退し、その後は様々なチームで指導者やディレクターを務めている。