田に囲まれ 農園レストラン 清耕園ファーム(糸魚川市東海) 早川地区で今秋オープン

 糸魚川市東海の清耕園ファーム(横井清一郎代表取締役)は今秋、早川地区の同所で農園レストランを始める。オープンは9月15日予定。フレンチシェフの渡辺光実さん(32)、同農園の横井藍さん(31)夫妻が準備を進めている。

フレンチシェフの渡辺光実さんと農園の横井藍さん夫妻。糸魚川市早川地区の田んぼの真ん中で農園レストランを始める(清耕園ファーム提供)

 愛情と手間を掛けて米作りを続けている同園。コメのおいしさを再認識し、価値を押し上げる食の場にと、レストランはお米がメーン。フレンチで学んだ技術を生かして新しい〝お米料理〟を提供する。採れ立て野菜、日本海で水揚げされた魚介、ジビエ、山菜など当地の豊富な食材も合わせて旬の味を届ける。
 店名は「m^urir(ミュリール)」。フランス語で実る、熟す。「お客さまと実りや収穫を喜び、香り、風景、味を共有し、大切な一瞬を重ねて熟していきたい」と思いを込めた。
 二人は同市出身。それぞれ高校を卒業して地元を離れ、光実さんは料理、藍さんは農業の道に。その後、互いに故郷での夢や目標を抱いてUターン。知り合って4年前に結婚し、シェフの夫と農家の妻が温めてきた計画「田んぼの真ん中でレストラン」が始動した。
 資金調達と周知にクラウドファンディングを行い、多くの支援を得て目標額を達成。オープンを心待ちにする応援メッセージも広く寄せられた。「糸魚川の豊かさや景色の素晴らしさ、生産者、料理人の両面から食に携わってきた者としてここでしかできない、伝えられないことがあると思う」と夢への一歩を踏み出す。
 クラウドファンディングは継続中。詳細は「murir レディーフォー」で検索。8日午後4時30分から、上棟式で餅まきを行う予定。
 清耕園ファームは、第2のふるさとプロジェクトとして7年前から田んぼオーナー制度を始めている。首都圏などの家族、企業がオーナーとなり、リピーターも多い。
◇田んぼオーナー人気市内外から田植え体験
 今年は5月末に同園ほ場でコシヒカリの田植えを行い、市内外の田んぼオーナー約80人が集まった。新型コロナウイルス感染拡大以来、久しぶりに大勢の参加となり、にぎやかな田植えの光景が広がった。

市内外から参加した田んぼオーナー。子どもから大人まで苗植えに励んだ(5月27日)

 横浜市から家族で訪れた宿院徳成(しゅくいん・あつなり)君(小2)は、「田んぼに入るのは初めてだけど上手に植えられた。秋になったらお米を取りに来ます」と話した。農園シェフの特製カレーで、青空ランチも楽しんだ。
 横井代表取締役(60)は「ここに来ていろいろな体験ができる。糸魚川のアピールにつながれば」と期待する。

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