栃木県の茂木中の恩師と教え子3人の絵画愛好者による絵画展「習作四人展」が、ふみの森もてぎのギャラリーふくろうで開かれている。今年で30回を数え、これを区切りに幕を下ろす。80歳を超える高齢になり、メンバーの一人の茂木、檜山克夫(ひやまかつお)さんが昨年10月に他界。展示は檜山さんにささげられる形で行われている。11日まで。
展覧会は、茂木中で担任だった茂木、横山昭造(よこやましょうぞう)さん(95)が退職後に絵を習い、同校勤務時代の教え子の同級生3人、小井戸、田口忠夫(たぐちただお)さん(83)、茂木、鶴見弘子(つるみひろこ)さん(82)、檜山さん=享年(81)=に声をかけ、1994年から本格的に始まった。
以後1年も欠かさず道の駅やふみの森もてぎで開催し、今年2月には町の文化振興功労賞を受賞した。
今回の展示には、4人が風景画や人物画など油絵や水彩画十数点ずつのほか、鶴見さんの書や、写真家を志した檜山さんが大学の卒業制作で撮影した、貴重な町のタバコ栽培の記録も紹介されている。
教え子3人は会社員、公務員、レストラン経営と別々の道を歩んだが、毎年そろって絵を展示することが人生に張りを与えてきた。
田口さんは、この30年を「絵を描く毎日が楽しみ。旅行先で絵の題材を探すのも楽しかった」と振り返り、鶴見さんは「30年間仲良くやってこられたことを展示で伝えたい」と話した。檜山さんの妻伶子(れいこ)さん(77)は「大きな会場で展示され、感激です」と、夫の足跡が紹介されたことを喜んだ。
元県立美術館館長坂入三男(さかいりみつお)さん(82)が展示をプロデュースするなど同級生も協力した。坂入さんは「82歳になっても美術に関わり人生を楽しむというのはすごいこと」と話した。