水戸の保育所で虐待か 1歳児、無理に食事

不適切保育が発覚した「さんさん保育園」=水戸市米沢町

水戸市米沢町の市認可保育所「さんさん保育園」で1歳園児に対する虐待とみられる不適切保育があったことが6日、分かった。保育士2人が園児を寝かせたまま食事を無理に食べさせたり、腕をつかんで引き倒したりする行為があり、園長や保育士が保護者会で謝罪。市は既に調査を進めており、行政指導する方針。

市や同園関係者によると、不適切な行為に及んだ保育士は1歳児クラス担当の20代女性と30代女性の2人。同行為は4月から5月上旬までの間に発生し、同園は、保育士が園児をしかる際に顎をつかんで引き上げたり、額をつつくなどの行為があったことも認めたという。

今月2日の緊急保護者会では、同園側が「人手不足で余裕がなかった」などと釈明。2人を厳重注意し、今後は他クラスの保育士と入れ替えながら保育を実施する方針を示した。7日も保護者会が開かれる予定。

同園は2021年4月に開所。1歳児は11人が通園している。運営の社会福祉法人理事長も務める皆川鉄雄園長は茨城新聞の取材に対し、「指摘を重く受け止め、改善できることは改善したい」と話した。

不適切保育を巡っては、こども家庭庁が5月、全国調査の結果を公表。茨城県内の不適切保育は昨年4~12月、保育所で9件、幼保連携型認定こども園で4件、認可外保育施設で1件の計14件確認された。一方、自治体が虐待に当たると判断した事案はなかった。

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