吉野ケ里遺跡の石棺墓、反響広がる 一般公開求める声も

 国指定特別史跡・吉野ケ里遺跡(神埼市郡)の北墳丘墓西側の「謎のエリア」で見つかった石棺墓(せっかんぼ)の内部調査開始から一夜明けた6日、佐賀県には県内外から問い合わせが寄せられ、一般公開を求める声が目立った。

 県によると、調査開始が報じられた5日昼から電話での問い合わせがあった。通常は1日5件程度だが、6日昼にかけて10件あり、4件は「一般公開をしないのか」との内容。ほかには「昨年度行った発掘現場のライブ中継をしないのか」「石棺墓の年代はどうして分かったか」「吉野ケ里は邪馬台国か」「お墓を荒らしていいのか」など。県文化課は「最新情報をツイッターで発信しているので、見てもらえれば」と話す。

 現場は一般公開はしておらず、メディア対応も時間を限定している。現場で作業するのは約15人と限られ、集中してもらう狙いがあるという。ライブ配信については検討中という。

 6日は終日、調査を休止した。雨でぬれると地層の色の変化が分かりづらく、土もはぎにくくなるという。遺物にとって水は大敵のため、劣化を防ぐためにブルーシートを現場に張るなどの対策を徹底する。

 調査は7日に再開し、現場の図面づくりを経て土をはがす作業に入る予定。県文化課は「天候や進ちょく次第だが、約1週間程度で成果を報告できれば」と話した。(大田浩司)

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