新型コロナの無料検査、兵庫でも補助金の不適切申請 450万円、支給前に対象外に 県内の全110事業者調査へ

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 兵庫県の斎藤元彦知事は7日の定例会見で、新型コロナウイルスの無料検査事業を巡り、受託事業者による不適切な補助金申請が1件あったと明らかにした。国の薬事承認を受けていない抗原検査キットを使っていたため、申請のあった約450万円の補助金を、支給前に交付対象外とした。

 県によると、この事業者は昨年4月に無料検査を始めた。関係者からの情報提供を受けて同年7月に立ち入り調査をし、未承認の検査キット使用が確認された。県内の無料検査事業は2021年12月~23年5月に実施。国の交付金を財源に、県から110業者に計約74億円が支払われた。

 斎藤知事は「税金が投入された事業で不正があってはならない」とし全事業者を対象に調査する考えを示した。不正などが分かれば返還を求め、悪質な場合は司法的な対応も検討する。

 コロナの無料検査事業では大阪府でも7事業者による約42億8千万円分の不適切申請があり、全370事業者に調査を行うという。(田中陽一、金 慶順)

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