茨城県内コロナ感染者増 「5類」移行1カ月

県内定点当たりの新型コロナ感染者数推移

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1カ月が経過した。感染状況の集計は「全数把握」から「定点把握」となり、直近の茨城県内の1医療機関当たりの感染者数は、移行前の週より2.14人増加している。地域によってばらつきもあり、県医師会は「注意深く見守る必要がある」と警戒を呼びかける。

毎日公表されていた感染者数は週1回、県内120の医療機関での定点把握となった。感染者は1医療機関当たり2~4人台で推移している。

県感染症対策課によると、最初の週の5月8~14日が2.71人で、移行前の1~7日から1.02人増えた。翌週の15~21日は1.75人増の4.46人で2週連続上昇した。直近の22~28日はやや減少して3.83人。同じ週の国全体の定点把握は3.63人を上回るなど、いまだ感染が広がっているとみられる。

保健所別で見ると、ばらつきもある。竜ケ崎保健所管内では15~21日の週が9.94人、22~28日の週が9.88人と、県全体平均より高い状況が続く。

5月29日~6月4日の週については、県が8日に公表する。同課によると、同じ週、新型コロナに関する県の「電話相談センター」の受付件数は1日80件前後で、ほかの週と比べて同水準だった。

県医師会の松崎信夫副会長は「手洗いやうがいなど基本的な感染予防策は続けてほしい」と強調。重症化リスクの高い人などのワクチン接種を勧めている。

同課によると、コロナ患者に対応する医療機関を約1300カ所に増やす目標を7日までに達成したとしている。ただ、内訳は「外来対応」が942カ所、他医療機関の案内などの「電話対応」が358カ所であるため、県は外来対応の拡充に向け、要請範囲を広げるとともに、小規模クリニック向けに感染防止策の紹介のほか、研修開催などに取り組む。

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