木版画家・齋藤千明さん作品展 「伝統的な技法を生かし"新たな表現"を」

 木版画家で鹿沼市の川上澄生美術館の館長を務める齋藤千明さんの作品展が、宇都宮市内のギャラリーで6月10日まで開かれています。

 宇都宮市鶴田町にある「アートライブラリー」では木版画家の齋藤千明さんの作品展が開かれています。

 齋藤さんは白鴎大学の教授として「美術教育」を研究する一方で今年(2023年)4月には鹿沼市の川上澄生美術館の館長に就任し「三足のわらじ」で活動しています。

 会場には「次元の連なり」をテーマに72点の作品が展示されています。

 「紙衣」と呼ばれる厚手の和紙から着物を作る江戸時代の伝統的な技法を用いた作品は、女性が服装で着飾ったさまを立体的に表現し背中の模様が透けているのがわかります。

 また、水辺の様々な表情を俯瞰的に描いた「水界」という作品は、色彩は和紙の表面からだけではなく背面からも幾重にも重ねることで色がにじみ出し「水」の持つ力強さと優しさを見る者に伝えています。作品は未完成で最終的には20を超える枚数のパネルがつながる作品になるということです。

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