架空請求詐欺被害を防いだコンビニ店員に感謝状 兵庫・宍粟署 電子マネー30万円分の購入方法尋ねる男性説得

架空請求詐欺を防ぎ、署長感謝状を受け取った塩垣涼子さん=宍粟署

 架空請求詐欺の被害を防いだとして、兵庫県警宍粟署は5日、同県宍粟市一宮町のコンビニ「ローソン宍粟一宮店」の店員、塩垣涼子さん(68)=同町=に署長感謝状を贈った。

 同署などによると、5月16日、市内の70代男性が同店を訪れ、塩垣さんに電子マネーカード30万円分の購入方法を尋ねた。理由を聞くと、男性の携帯電話料金が未納だという電話があり、電子マネーカードによる支払いを求められたという。詐欺と直感した塩垣さんは男性を説得し、警察に相談するよう促して被害を防いだ。

 同月下旬、塩垣さん自身の携帯電話にも不審な電話があり、男から「動画の閲覧による未納料金が48万円ある。今日中に払わないと、東京の裁判所に来てもらうことになる」と言われた。塩垣さんは冷静に対応し、「警察に行き、名乗った会社名を出した上で相談する」と伝えると、すぐに電話が切れたという。

 感謝状を受け取った塩垣さんは「初めての経験だったけれど、未然に被害を防げて良かった」と安心した表情。「まさか自分にも不審電話があるなんて驚き。でも『警察に行く』と言えば電話は切れることが分かった」と語った。(村上晃宏)

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