自転車にヘルメット訴え 水戸署長訪問 事故多い高校生に

ヘルメットを着用した生徒の自転車走行を見守る、青柳信明署長(後列左)と勝田滋校長(同右)=水戸市元吉田町

水戸警察署(水戸市三の丸)の青柳信明署長が8日、茨城県立水戸工業高(同市元吉田町)を訪問し、県内の交通事故の発生状況を伝えながら自転車ヘルメット着用の重要性を訴えた。県内27警察署長が管内の全ての高校を訪問し生徒の着用を促す県警の取り組みの一環。4月の道交法改正で、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務化された。

青柳署長は勝田滋校長らに、着用率は世代別で高校生が最も低いことや、世代別の自転車事故の死傷者数は高校生が最も多いことなどを説明。自転車事故に関するデータも共有した。勝田校長は「知識として高校生の着用率が低いことは知っていたが、こうしてデータを見ると危機感を覚える」と実感を込めて話した。

同校によると、全校生徒約950人のうち9割近くが自転車通学。5月にクラスごとに挙手制で実施、集計した調査では、ヘルメットを着用している生徒は全校で約50人だった。

同校では、帽子のような形のヘルメットなど、デザイン性に優れたものも見られた。建築科1年の樫村咲奈さん(15)は「中学では指定されたけど、高校では好きなものをかぶれる」、情報技術科1年の根本一颯さん(16)は「ネットでお気に入りを見つけて買った」と肯定的な意見も聞かれた。

「3月までは着用者はほぼいなかった。まだ多くはないが、少しずつ増えている」と勝田校長。青柳署長は「高校生が爽やかにヘルメットを着用してくれると社会全体にも浸透していく」と着用に期待した。

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