京都を楽しむメーテルなど「銀河鉄道999」の世界、西陣織で表現 松本零士さん追悼、宝塚で作品展

約6万本の糸をつむいで華やかに創作した西陣織の巨大掛け軸「メーテル 古都の休日」=宝塚市立国際・文化センター

 今年2月に亡くなった漫画家松本零士さんの人気SF作品「銀河鉄道999」のキャラクターを題材にした西陣織の作品展が8日、兵庫県宝塚市南口2の市立国際・文化センターで始まった。きめ細やかな糸を紡ぎ、ヒロインのメーテルを色鮮やかに織り上げた巨大掛け軸など8点が出品され、宇宙にロマンを抱いた松本さんの世界観が楽しめる。(西尾和高)

 京都の西陣織職人らは約10年前から松本さんの協力を得て、原画などを基に創作に励んできた。職人が伝統技術で丹精した作品を鑑賞してもらい、松本さんを追悼しようと、西陣織国際美術館(京都市)が来年3月までの約1年間、全国40カ所で開催する巡回展。県内では宝塚が初めてで、明石、姫路、神戸でも予定している。

 巨大掛け軸「メーテル 古都の休日」(縦2.5メートル、横1.2メートル)は2019年、松本さんが京都府文化観光大使に就任したのを記念し、職人が1年かけて仕上げた。メーテルが銀河鉄道を下車し、京都の休日を楽しむ場面をデザイン。大文字山や清水寺、金閣寺などの名所をバックに、和傘を持ってたたずむメーテルが17色約6万本の糸を使って華やかに表現されている。

 また、主人公の星野鉄郎、夜空を駆け抜ける999号を描いた作品もある。同美術館の蔦田文男館長(76)は「漫画家として数々の名作を残した松本さんに思いをはせてほしい」と話している。

 NHK大河ドラマの放映に合わせて徳川家康の甲冑(かっちゅう)を織った作品など約60点も展示されている。12日まで。午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)。入場無料。

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