長崎県公立校教員 志願倍率2倍で過去最低に 2024年度採用試験 新卒は増加

 長崎県教委は8日、来春採用予定の2024年度県公立学校教員採用選考試験の志望状況を発表した。全体の志願者数は1001人(前年同期比61人減)。採用予定者数506人に対する志願倍率は2.0倍(同0.1ポイント減)で、記録が残る1998年度以降最低だった。一方、新卒の志願者数は488人で、過去5年で最多。2020年度と比較すると100人近く増加した。
 小学校の志願者数は308人(同28人減)、倍率は1.2倍(同0.1ポイント減)で過去最低を更新した。19年度以降2倍を下回っている。このほかは▽中学校265人、2.2倍(同)▽高校260人、3.3倍(同1ポイント減)▽特別支援学校60人、2.4倍(同)▽養護教諭108人、5.1倍(同0.4ポイント増)。
 志願状況は7月28日締め切りのオンライン受験応募を除く暫定値。県教委は、志願者倍率が年々低下している要因に、採用予定者数の高止まりなどを挙げた。定年退職者などが多いことや特別支援学級の増加などが影響しているとみている。
 県教委によると、22年度から導入している「大学推薦特別採用選考」は119人(同19人増)が応募。近年設置した特別採用選考が定着し始め、志願者が増えているという。22年度から年齢上限を59歳未満に引き上げ、50代の志願者は前年度よりも増加傾向にある。
 8日の定例教育委員会では、教職の魅力発信の必要性などが指摘された。5月に文部科学省が教員採用試験の早期実施を要請したことについて、県教委は、九州地区は日程を統一して試験を実施しているが、九州全体での前倒しも検討しているとした。

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