【リニア】水は静岡?山梨?調査に前向きも…JR東海社長「静岡空港新駅」設置は難しいと改めて示す (静岡県)

静岡県とJR東海の対立が続く、リニア工事をめぐる山梨でのボーリング調査について。JR東海の丹羽社長は、流れ出た水が静岡と山梨のどちらのものか判断する調査に前向きな姿勢を示した。

8日、JR東海の丹羽社長が会見で言及したのは、県が反発している山梨でのボーリング調査について。

(JR東海 丹羽俊介 社長)

「県境付近の地下深くの水は山梨県の地下水か、静岡県の地下水か、判断するのは難しいと考えているが、静岡県の懸念を踏まえて県と対話をしている」「(県の専門部会の)丸井委員が提案した方法について、データを取得して静岡県と丸井委員に報告をする」「どれだけの水が流出するかを、丸井委員の判断を受けて静岡県と対話を進めたい」

山梨で進むリニア新幹線の「ボーリング調査」をめぐっては、静岡県が「静岡側の水が流れ出る可能性がある」として、JR東海に対し県境まで300メートル以内の区間を掘り進めないよう求めている。8日、丹羽社長は、静岡と山梨のどちらの水が流れ出たのか判断する調査に前向きな姿勢を示した。この調査を提案したのは、水問題について議論する「県の専門部会」の委員。

(静岡県の専門部会 丸井敦尚 委員)

「本当に調べようと思ったら、山梨県の水、静岡県の水をサンプリングして、どれだけ水質が違う、水温が違うと細かく調べて、一番簡単な方法は塩素が入っているか入っていないかなどの『キー』を見つけて、何対何で水が混ざっているか、水質や水温とか何かキーになっているものを最初に見つけておけば比率が把握できる」

県とJR東海の溝が深まる中、静岡と山梨のどちらの水が流れ出たのか、一定の判断が示されれば議論の進展が期待される。

一方、先週、リニアの早期建設を目指す期成同盟会で、山梨県の長崎知事から東海道新幹線の新駅を静岡空港に設置する構想が発表された。「静岡空港新駅」の構想について丹羽社長は…。

(JR東海 丹羽俊介 社長)

「静岡空港の位置が掛川駅からの距離が短い、駅を設置することで東海道新幹線の高速で都市間を結ぶ性能を発揮できなくなる」「既存駅の利用客は所要時間が増えてしまう」「利便性の向上が新駅を増やすことで難しくなってしまう、プラスの効果をもたらすことにはならない、設置することは難しい」

このように述べ「建設の設置は難しい」という認識を改めて示した。

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