標識不備の交差点、36人誤摘発 茨城県警、反則金返還

茨城県警察本部=水戸市笠原町

茨城県警は9日、標識設置に不備があった交差点などの横断歩道29カ所で2017年以降、誤って36人を摘発していたと発表した。反則告知を受けた人に対し、違反点数(2点)を取り消し、反則金(普通車9千円)を返すなどの手続きを取っている。

不備があったのは日立市や水戸市など20市1町で、標識は既に設置済み。右左折の交差点24カ所のほか、直線道路5カ所は対向車線のみ標識があった。

道交法施行令で、信号機のない横断歩道にはドライバーが視認できる位置に標識が必要だ。十字路の4方向全てに横断歩道がある場合などに標識を省略できる例外があるものの、県警によると、設置不備の29カ所はこれに該当せず、担当者が例外に当たると誤認して標識を設置していなかった。

県警は、不適切な取り締まりで36人を同法違反(横断歩行者等妨害等)で摘発。視認できる標識がなければ横断歩道の要件を満たさず、違反は成立しない。

誤摘発後に運転免許証を更新し、ゴールドからブルーへ区分変更があった10人はゴールド免許に交換。誤摘発で臨時の認知機能検査を受けた高齢者5人には手数料を還付する。

県警は、青森や群馬各県で昨年発覚した不適切取り締まりを受け、記録が残る17年以降に違反のあった7916件を調査。現在も不備がある横断歩道がないか調べている。交通指導課は「反則切符を告知した方々にはご心配やお手数をお掛けし大変申し訳なく思う」とコメントした。

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